+

   ただ単に君が


◆も 

「もしも、もしもよ」

それを話の前提に置いて、冷麗はイタクに問いた。

「あの子がここからいなくなる時が来ても、イタクは想いを伝えないの?」

いつも鋭い眼光がより一層鋭くなる。
睨みつけるようなその目つきに怯む事なく、冷麗はもう一度口を開いた。

「言わなかったら後悔するわ」

真っ直ぐに見つめてくる視線に堪えられなくなったのかイタクはふいっと顔を逸らし、冷麗に背を向ける。
イタク、とどこか咎めるような彼女の声色に漸くイタクが言葉を発した。

「もしもの話じゃねぇだろ」

もしもの話をしよう
(苛立ったようにも聞こえる悲しい声に)
(それ以上何も言えなくなった)


【イタク×兎】

2011/12/22(Thu) 15:39

by ユリの花☆
でも本当にどうなるか気になります!イタクの心情が読んでても凄く伝わります。


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