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ただ単に君が好き
◆め
サンタクロースなんて信じる年じゃないし、プレゼントをねだるような子供でもない。
それでも大人達は毎年毎年芸もなく、枕元に沢山のプレゼントを用意していく。
「(……………………山崎さん…)」
12月24日の真夜中。
抜き足差し足忍び足で誰かが部屋に入って来た気配で浅い眠りから目覚める。
狸寝入りをしながら、わざわざ監察を使ってまでクリスマスという行事を遂行する大人に苦笑いが漏れそうになった。
静かに静かに、音を立てないようにと部屋に運び込まれる綺麗にラッピングされた箱の山。
任務を終えて安心したのか、鼻唄交じりで出ていった監察を気配で感じながら布団から顔を出す。
「今年も大量です…」
最早呆れを通り越して渇いた笑いしか出て来ない。
さっきも誕生日プレゼントを貰ったばかりなのに、また今年も置き場所に苦労しそうだ。
暗闇で光る携帯のサブディスプレイ。
浮かぶ名前は自分と同じ状況にある、幼馴染みの彼から。
冷え切った部屋の中、寒さで鼻がツンと痛むのも気にならないくらい、気持ちがほっこり温かかった。
Merry Merry X'mas
(気付かないふりをして)
(まだ子供でいてみようかな、なんて)
【真選組×兎】
2011/12/22(Thu) 12:56
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