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   ただ単に君が


◆へ 

お餅をついて餡を絡めた、今日の差し入れは餡餅。
重箱に詰めていつも通り仲間達が集まる稽古場へと足を運ぶ。
いただきー、と皆が取るのは私や紫が作った形の良いものばかり。
ぽつんと端っこに残る歪な丸は誰にも見向きもされない。

「今日は餅か」

一足遅れて来たイタクはそう言うと、何の戸惑いも無しに忘れ去れていたようなお餅を取っていく。
綺麗なお餅はまだあったのに彼は迷いもせず、あの子が作ったものを選んだ。

「ふふふ」
「ンだよ、いきなり」

怪訝な顔に、何でもないと笑ってごまかす。
相変わらずの仏頂面。
でもその隣には晴れた空のように明るい笑顔が咲くのよね。

へたっぴなまんまる
(思った通りのすっかり見慣れた光景に)
(早くくっついちゃえばいいのにと思う)


【イタク×兎】

2011/12/02(Fri) 15:40

by ユリの花☆
イタクのそのさりげない優しさが大好きです<img src="/img/emoji/57.gif" border="0" /><img src="/img/emoji/57.gif" border="0" />


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