+
ただ単に君が好き
◆の
「頭とも在ろう方がお仕事もしないで毎日毎日身辺ストーカーに励んでおられます」
「仕事あるだけいいヨ。うちはいつもぐうたらでいい年したおっさんがプーしてジャンプ読んでるアル。昨日なんかベロンベロンで帰ってきたネ」
「うちも一緒です。お酒が入ってマヨが入って煙草が入ってます。おまけに何を聞いてきたのやら夜中トイレに起こされました」
「お互い大変アルナ」
「全くですね」
「「…でも、まァ……」」
どうしようもないマダオだけど、この命に代えて護りますか。
呪われたその血に革命を、
(血ではなく魂で決めた戦場にて)
(護るために傘を振ろうか)
【神楽×兎】
2011/09/03(Sat) 17:59
コメント(0)
◆ね
ポカポカポカ、お日様の日差しが暖かい屋敷の縁側。
この家の一人娘である妖怪任侠の姫君は今日も今日とて日なたぼっこを楽しんでいた。
ただ一つ、いつもと違うのは彼女の膝の上に羽を休めた鴉が寝ているという事。
「みゃあー」
何かくれ、と迷い込んだ野良猫が一声。
くすり、と笑って、立てた人差し指を唇の前に持っていく。
後でね、そう言った途端、興味をなくしたのか諦めたのか猫はふいっと背を向けてどこかへ行ってしまった。
残念に思うも、その顔はとても幸せそうで。
ふわりふわり、膝上の少し固い黒髪を優しく撫でた。
眠り鴉と姫君と
(生真面目な彼が休まる場所)
(大好きな彼女の傍)
【黒羽丸×姫】
2011/09/02(Fri) 12:49
コメント(0)
◆ぬ
「11時35分、歌舞伎町三丁目のコンビニで万引き犯逮捕です」
「ご苦労さん。で、その口の周りの米粒は何?」
「これは犯人と揉み合っている内に偶然おにぎりが口に入ったものと思われます!」
「そうか、なら仕方ねー…訳あるかぁぁぁ!!!!揉み合って偶然おにぎりが口に入るってどんな状況!!??何で犯人が盗んだもん食っちゃってんの!!??てめーで証拠隠滅してどうすんだ!!!!」
「お言葉ですがトシさん、あれは向こうも悪いのです。だってね、
盗んだものを返しなさい
(って言ったらおにぎり出すんですもん)
(何その条件反射的な言い訳ぇぇ!!!!)
【土方×兎】
2011/08/27(Sat) 22:05
コメント(2)
◆に
「帰ったわよ、雅次」
「姉貴…どうしたいきなり」
「盆だからよ。早く麦茶、氷がっちりで」
「竜二は?」
「家にいんじゃない?つーかクーラーぐらいつけろよな。お姉様の帰郷だぞ愚弟が」
「……よく本家で盆に帰ってこれたな。女の盆って言われてるのは下旬だろ」
「お前、私を誰だと思ってるの?」
ニヤリと黒い笑みを浮かべる女帝に、毎度の事ながら雅次は本家の女中達に同情した。
「生クリーム的なもん持ってこい」
「……餡的なものしかない」
「コンビニまで走れ。それからアンタ、
ニンニク臭いんだけど
(「私の半径三キロ圏内に入んないで」)
(舞い戻った魔王♀に泣きそうになった)
【雅次×ドS】
2011/08/16(Tue) 17:45
コメント(0)
◆な
他から見ればいつもと変わらない様子。
何でもないって仕事して、何でもないって笑っている。
「少し休め」
この娘はバレてないとでも思っていたのか、そう言えば水色の瞳は驚いたように軽く見開かれた。
だが、それもほんの一瞬で。
「平気です」
笑っているはずなのに悲しい顔。
「平気ですから」
まるで自分に言い聞かせるような言葉に、眉間の皴が一層深くなった。
ならばいっそ泣いてくれ
(初めて人を殺めた日)
(君は力無く笑うだけで)
【土方×兎】
2011/08/16(Tue) 14:14
コメント(0)
◆と
小降りから本格的な雨に変わった空を仰ぐ彼女の横顔。
曇天に何を思うのか、どこか遠くを朧げに見る水色の瞳に急に不安が押し寄せてきた。
「イタクさん?」
「……悪ィ、何でもねー…」
思わず掴んだ細い腕。
静かに離して、不思議そうに見上げる彼女に本音をごまかす。
強く、強く、右手に残る確かな温もりを握り締めた。
届く距離にキミ
(いつか消えてしまう存在が)
(まだ掴める場所にある事に安堵した)
【イタク×兎】
2011/08/07(Sun) 18:08
コメント(2)
◆て
「ぎゃあああああああ!!!!!!!!!!」
家中に響き渡る色気のない悲鳴。
自室で本を呼んでいた竜二はもうすぐここに飛び込んでくるであろう人物を思い、溜息をついた。
自分の事は棚に上げて、アイツの日頃の行いの結果だ、と次いでほくそ笑む。
ドタドタドタドタ。
段々と近付く足音に緩みそうになる口元を引き締めて、いつもの極悪面を貼付けた。
「りゅ竜二ぃぃ!!!!!!いいいい犬ぅぅ!!!!」
「ハッ、ざまあみろ」
天敵出現!
(素直じゃない婚約者が)
(未来の旦那を頼る唯一の時)
【竜二×ドS】
2011/08/07(Sun) 15:47
コメント(0)
◆つ
家事は全く出来ない。
針仕事なんざ問題外。
まるで不器用を絵に描いたような女の子。
「特技っつーとやっぱ力仕事か?他には何かねェ?」
「ありますよ」
「お、何だ?」
得意げなその顔は随分と自信があるらしい。
期待大で淡島がその答えを待つ。
「証拠隠滅」
「………………………は?」
「隠蔽工作」
「悪ィー!誰か通訳呼んできてー!!」
「あとは、"皆殺し"ですね」
「ごめんねぇぇ!!俺の質問の仕方が悪かったァ!!??」
「暗殺は向き不向きがありますから」
「何でこの子こんな虫も殺せないような顔してもの凄い物騒な事言ってんのぉぉ!!??」
「要はそこにいる人達を全員跡形もなく消しちゃえばいいんですよ」
「怖ェわ!!つーか話聞けよ!!!!ホンット親の顔が見てみてェな!!」
ツッコミレベルが上がりました
(戦闘の腕よりも)
(どうでもいいスキルが確実に上がっていく)
【淡島×兎】
2011/08/06(Sat) 17:38
コメント(0)
◆ち
ぬらりくらり。
ふらっといなくなるのは"ぬらりひょん"という妖怪の特性だもの。
何度言われてもそれは直せないのよ?
「外に出て歩く事には反対いたしません。私は護衛も付けずにお一人で出歩く事に意見しているのです。そのように無防備でもし襲われたりしたらどうするのですか」
長く長く続くお説教に、どうしたものかしらと見付からないように溜息。
「聞いておられますか?」
「聞いてるわ」
怪訝な眼差しに苦笑を返して、ふと思い付いた打開策に元来の悪戯好きの血が騒ぐ。
「黒羽丸」
「どうされま……」
続く言葉を唇で掻き消して、離れた熱に笑顔を向けた。
「十分反省したから、ね?」
「──ッ!」
以後お気を付けください…、と真っ赤になって呟いた彼に満足して、はいと頷いた。
ちゅーで許して
(悪戯にペロッと舌を出して、)
(今日はこれで勘弁してね)
【黒羽丸×姫】
2011/08/06(Sat) 17:30
コメント(1)
◆た
ヒーローなんざブラウン管の中だけの生きもんだ、前に彼はそう言った。
淡々とした物言いとは逆に、朧げにどこか遠くを見ながら。
「─ッ!」
「随分暴れてくれたもんだぜ、真選組の女隊士さんよォ」
後ろは積み荷、前は攘夷浪士御一行様。
負傷した利き腕と左足がジクジクと痛み、絶体絶命の状況に顔を顰る。
単身で敵陳に乗り込んだなんて知られたら始末書じゃ済まないんだろうな、と頭の片隅でそんな事を思った。
「死ねぇ!!!!」
限界の体に鞭を打って傘を向けようとしたが、それは敵わなかった。
目の前に現れた、白い背中によって。
「オイオイ、随分過激なプレイじゃねーの?少年誌にゃ載せらんねェぜこりゃあ」
ふわふわの銀色を揺らして、木刀を腰に携えて、いつもと同じ、気の抜ける台詞をはきながら。
「こっからは18歳未満お断りって事で。オッケー?」
やる気のない紅い瞳のその人は、誰が何と言おうとも、私にとってはヒーローなんです。
脱力系ヒーロー
(口では文句を言いながら)
(最後は必ず、助けてくれるから)
【銀時×兎】
2011/07/12(Tue) 22:44
コメント(0)
次の10件→
←前の10件
[TOPへ]
[カスタマイズ]