気まぐれプリンセス

□おかえり
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「お帰りなさいリクオ」

「ただいま、姉さん」


 『ただいま』と言ったら
 『お帰り』と帰ってくる
 そんな当たり前の日常が"特別"で─


「お帰りなさい雪女、青田坊」

「ただいま戻りました、姫様」

「戻りましたぜぇ姫」


 いつも何気なく出迎えてくれてること
 ちゃんと知ってますよ


「泡様ー、今戻ったぜぇ」

「あら、納豆。お帰りなさい」

「よぅ泡」

「お帰りなさいませ父上」

「土産じゃ。リクオと食え」

「まぁ、大福。ありがとうございます」


 アナタの『お帰り』が欲しくて
 帰ったら真っ先に行くのは
 決まってアナタの所


「あら、リクオ。出かけるの?」

「ああ。夜の散歩だ」

「ふふ、気をつけて行ってらっしゃい」


 帰ってくるまで待っているのでしょう?
 誰にだってそう
 いつもニコニコして
 自由奔放なアナタだけど
 本当は人一倍心配性
 口には出さないけれど
 いつもアナタを見ていたから分かるのです


「戻ったぜ姉さん」

「お帰りなさいリクオ」

「三羽鴉も一緒だ。後から来るだろうよ」


 縁側に腰掛けて
 いつも帰りを待ってくれるアナタに
 ほら、今日も─


「お帰りなさい
  とさか丸、ささ美ちゃん、黒羽丸」


 こんなにも心が満たされる


「ただいま戻りました、泡様」



待っている人がいる喜び。
(分かりやすいな、本当)
(デレッデレじゃねーか毎回)
(泡様はお気づきにならないのか?)
(な…………るんじゃねーの?)





end

皆が帰ってくるまで健気に待つ姫とそんな姫に恋するカラスの話。
最後はカラス次男、長女の会話。


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