気まぐれプリンセス
□おかえり
1ページ/1ページ
「お帰りなさいリクオ」
「ただいま、姉さん」
『ただいま』と言ったら
『お帰り』と帰ってくる
そんな当たり前の日常が"特別"で─
「お帰りなさい雪女、青田坊」
「ただいま戻りました、姫様」
「戻りましたぜぇ姫」
いつも何気なく出迎えてくれてること
ちゃんと知ってますよ
「泡様ー、今戻ったぜぇ」
「あら、納豆。お帰りなさい」
「よぅ泡」
「お帰りなさいませ父上」
「土産じゃ。リクオと食え」
「まぁ、大福。ありがとうございます」
アナタの『お帰り』が欲しくて
帰ったら真っ先に行くのは
決まってアナタの所
「あら、リクオ。出かけるの?」
「ああ。夜の散歩だ」
「ふふ、気をつけて行ってらっしゃい」
帰ってくるまで待っているのでしょう?
誰にだってそう
いつもニコニコして
自由奔放なアナタだけど
本当は人一倍心配性
口には出さないけれど
いつもアナタを見ていたから分かるのです
「戻ったぜ姉さん」
「お帰りなさいリクオ」
「三羽鴉も一緒だ。後から来るだろうよ」
縁側に腰掛けて
いつも帰りを待ってくれるアナタに
ほら、今日も─
「お帰りなさい
とさか丸、ささ美ちゃん、黒羽丸」
こんなにも心が満たされる
「ただいま戻りました、泡様」
待っている人がいる喜び。
(分かりやすいな、本当)
(デレッデレじゃねーか毎回)
(泡様はお気づきにならないのか?)
(な…………るんじゃねーの?)
end
皆が帰ってくるまで健気に待つ姫とそんな姫に恋するカラスの話。
最後はカラス次男、長女の会話。