REBORN!2

□遠恋5
1ページ/2ページ



スクアーロはただ一人、沈黙の傍にいた。
何もかもが不愉快だった。


『先程入った情報によりますと、犯人はまだそう遠くへは行っていないらしく、多数の目撃者も―――』


ここの近くで起きた事件を考えれば家を飛び出して捜したし、救急車の音を聞けばいても経ってもいられなかった。


そういう行動さえ、自分ばかり心配したり想っていると感じて不愉快だ。


「スクアーロ先輩!ザンザスさん!」


自分のことは先輩と呼ぶのにザンザスのことはさん付けで呼ぶのは嫌いで、わざと後輩の顔立ちがいい女の名前で呼んだ。

でも彼女は怒るどころか笑う。


「チッ…」


出て行く寸前の、あの怯えた顔が頭から離れない。
傘も持たずにあの雨の中、彼女は今どうしているのだろうか……。


もしかしたら変な男に連れて行かれてるかもしれない……っ


そう考えたら思考が嫌な方へと結びつけていって、俺は家を飛び出した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ