REBORN!2
□遠恋2
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ぽたぽたと、自分の前髪から雨の雫が落ちる。
家を飛び出したものの、無我夢中だったため傘を忘れてしまったのだ。
「寒っ……」
制服のまま飛び出してきたから今身に纏っているのはカッターシャツだけ。
すごく冷える。
「ねー、ママーあの人傘差してないよー?」
「見ないの」
ランドセルを背負い、黄色い傘を差して母親と歩く男の子が私を指差した。母親が慌ててそれを止め、手を引っ張って行く。
「っ……」
体がぶるりと震え、思わず立ち止まった。
己を抱きしめるように腕を組み、一旦引き返そうかと思う。
―――でも、あれだけ怒っていたら。
涙が出そうになるのを抑えて再び歩き出そうとすると、いきなり道路を走っていたバイクが自分の横で止まった。
「おい」
低い声にビクッと体を跳ね上がらせてから見ると、卒業したザンザスさんがそこにいた。
「ザンザスさ、」
「風邪引くだろうが、傘はどうした」