五年生×兵太夫

□雷蔵×兵太夫(2)
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と、音がしたかと思うくらい

いきなり笹山君の顔が紅くなって

「あっ!?ささやっ・・・!」

凄い勢いで走っていってしまった笹山君

中在家先輩もまさか図書委員の目の前で走る人間が居るとは思わなかったのだろう

貸し出し席の中で少々呆気に取られていた

そんな中僕といえば

未だに手の中にある、笹山君の目当ての本を持ったまま、間抜けに立ち尽くしているだけだった

一体どうしたんだろう?

僕、また何か余計なことを言ってしまったのかな?

もしかして、全然違うことを言いたかったのか?

だとしたら、僕は笹山君をとても傷つけてしまったんじゃないか?

考えれば考えるほど深みに嵌りその日の委員会は上の空

考えながら、雑務をこなしていたら

「・・・あれ?」

気がついたら、周囲には誰一人としていなかった・・・

「うそ!?皆帰っちゃったの?」
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