五年生×兵太夫

□雷蔵×兵太夫
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「っ・・・!?先輩はずるいっ!」

僕の腕の中から離れて、兵太夫は叫ぶ

「僕はっ・・・雷蔵先輩がっ・・・」

ボロボロと泣きながら、それでも縋ることは、引き止める言葉は無い・・・ただ想いのみを伝える、きちんと向き合おうとしている・・・弱くて・・・けれどとても強く聡明な子・・・

「・・・ぼく・・・はっ・・・すき・・・な・・・だけっ・・・」

逃げているのは僕だけだ・・・

ボソリと自分の思いを呟いた兵太夫は勢い良く僕から離れようとする

「へいっ・・・太夫!」

逃がさないように兵太夫の腕を強く引き・・・入ってきた小さな体に腕の力を込める・・・やはりどうしたって、兵太夫が大事なんだ

「せんっ・・・!?・・・っふ」

言葉を遮り兵太夫の顎を上げて口付ける

小さく肩を叩かれて、唇を離す

「ごめん・・・僕は・・・」

前髪を上げて唇を落とす

こんなに幼い君に、覚悟を決めさせて、ごめんね・・・
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