五年生×兵太夫

□雷蔵×兵太夫
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半年前・・・否、正確には六年生が卒業して・・・僕らが進級してからか・・・

時折、兵太夫はこうなる・・・誰かに何かを言われたのか、それとも自分で導いたのか・・・

あと半年後に僕が学園からいなくなる事を怯えるようになった・・・言葉では出さないけれど、こうなると感情を伝えることが多い

僕が曖昧な態度を取っている自覚は・・・ある・・・けれど

『出せない答え』



『出したくない答え』

の狭間で僕は迷う


忍としての答えはとっくに出ている

【このまま兵太夫を縛り続けてはいけない】

感情としての答えが・・・出ない



「大丈夫、ここにいるから」

フと兵太夫を腕に抱きながら自嘲する

ここにいると言っておきながら、頭の中で兵太夫をこの腕から離す算段を立てている自分もいることが

ひどく滑稽に思える

そんな僕の浅はかな感情なんて

兵太夫にはすぐにばれてしまう
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