五年生×兵太夫
□兵助×兵太夫(2)
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少し、何故か沈んだ心で・・・
心なしか、眼だけでなく、項垂れてしまった兵太夫を地面に降ろし頭に手を置いて撫でてやる
「気にしてないぞ?実習なんかでもっとキツイ徹夜なんて普段からやってるし、それに兵太夫に知り合えたしなっ。楽しかった」
だから気にするなと頭を撫でながら笑うと再び凄い勢いで抱きつかれた
「うおっ!?」
「久々知先輩っ!!本当にありがとうございましたっ!先輩のおかげで僕満点だったんです!」
抱きとめ、背中を叩くと、グリグリと肩に頭を埋めて嬉しそうに報告された
現金なもので、俺の沈んだ心もすぐに晴れてしまう
「そりゃ良かったな!けど、俺何もしてないってば」
「違いますっ!先輩のおかげですっ!!僕仙蔵先輩の教えてくれた事、体で覚えただけで、たいして頭に入ってなかったから・・・先輩が判りやすく暗記のツボ教えてくれたから点数取れたんです!!」
兵太夫の頭が勢いよく俺から剥がれ、逆にお説教されてしまった
その真剣さが大分面白くて
ポンポン頭を叩きながら思わず失笑してしまう
「何で笑うんですかっ!?」
「いや・・・っ良かったな。俺で良ければいつでも、判ることなら何でも教えてやるよ」
可愛いなぁと思いながらそう伝えると
まだ少し憮然としていた表情は、急に明るくなり