五年生×兵太夫

□雷蔵×兵太夫(2)
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雷×兵(2)

「先輩・・・あの」

「あ、うん判った。すぐに行くから待ってて?」

あの日から、笹山君は自分の取れない棚にある蔵書にきちんと上級生を呼ぶようになった

「ありがとうございます」

笑って蔵書棚に歩いて行くその姿を可愛いなぁ・・・なんて見てる僕は

相当重症だと思う・・・


「はい、コレだね。どうぞ」

指定された本を取って笹山君に差し出すと礼を言われた後

小さな声で

「僕も・・・はやく・・・」

と呟いたのが聞こえてしまった

自分で取れない事が悔しいのかなと感じ

「心配しなくても、僕も君くらいの頃、小さかったから。すぐに大きくなれるよ」

安心させるように笑いかけると、ユルユルと首を振り

「そうじゃなくてっ・・・こ・・・」

言葉に詰まった後

ボン!
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