無双BOOK

□面影
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劉備のもとに珍しい客が来た


「劉備殿、幸村です。」


「おや、これは珍しい…。」


「ちょっと、私情なんですがお話が…。」


「趙雲のことか?」


「///なっ、なぜそれを…。」


劉備は微笑みながら言う。


「幸村殿の視線はたいてい趙雲に向いておりますからな。」



劉備に言われて更に幸村は赤面する。



「で、お話とは?」


「はい、実は……。」



幸村は一度、息をついて言う。



「趙雲殿が誰かに私を重ねていて…もしかしたら趙雲殿の夫かもしれないと…趙雲殿の夫とはどの様な方か知りたくて…。」



幸村の言葉に劉備は眉を寄せた。


そして幸村を見据える。





「それが解って…お主はどうするおつもりか…?」



劉備に問いに幸村は答える。



「今は重ねられているだけで構いません。ですが……」



幸村は一息つく。そして答える。





「いつか私自身を見てくれる…その時を待ちます。」



幸村の答えに満足したのか、してないのか解らない顔で劉備は、


「そうか…。」



と、小さく呟く。




「良いだろう、彼女の夫について教えよう。」




そうして、劉備は昔語りをした。
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