無双BOOK
□面影
4ページ/7ページ
劉備のもとに珍しい客が来た
「劉備殿、幸村です。」
「おや、これは珍しい…。」
「ちょっと、私情なんですがお話が…。」
「趙雲のことか?」
「///なっ、なぜそれを…。」
劉備は微笑みながら言う。
「幸村殿の視線はたいてい趙雲に向いておりますからな。」
劉備に言われて更に幸村は赤面する。
「で、お話とは?」
「はい、実は……。」
幸村は一度、息をついて言う。
「趙雲殿が誰かに私を重ねていて…もしかしたら趙雲殿の夫かもしれないと…趙雲殿の夫とはどの様な方か知りたくて…。」
幸村の言葉に劉備は眉を寄せた。
そして幸村を見据える。
「それが解って…お主はどうするおつもりか…?」
劉備に問いに幸村は答える。
「今は重ねられているだけで構いません。ですが……」
幸村は一息つく。そして答える。
「いつか私自身を見てくれる…その時を待ちます。」
幸村の答えに満足したのか、してないのか解らない顔で劉備は、
「そうか…。」
と、小さく呟く。
「良いだろう、彼女の夫について教えよう。」
そうして、劉備は昔語りをした。