無双BOOK

□軍師と将軍の隠れ家
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徐庶の失踪は思ったより騒ぎにならず、それよりも荀攸が夜に勝手に居なくなったことを年下の叔父と大切な友人達が騒いで問題になっており、迎えに来た曹休から夜中走り回ってようやく見つけたと泣きつかれた。戻ったらこれまた涙目の年下の叔父が抱き付いて離れなかった。

青年がもう来ないとわかっていだが荀攸は時おり、あの隠れ家に向かった。

「やぁ、荀攸殿。」

青年と座っていた長椅子に腰掛けて呆けていたとき、誰かが訪ねてきた。

「郭嘉殿…。」

荀攸の大切な人。郭嘉は隣に腰を降ろす。

「いい所だね、きっと二人でいても荀ケ殿達には邪魔されないね。」
「…お身体は大丈夫ですか。」
「可愛い誰かさんのおかげで健康体に戻りつつあるよ。」
「…そうですか。」

荀攸は頭を郭嘉の肩に乗せ、郭嘉は荀攸の肩を抱いた。

「(名も知れない大切な友人…あなたもあなたの大切な人と過ごして下さい。)」


少しの喪失感と多大な幸福感を胸に荀攸は瞳を閉じた。


数年後、ふたりは戦場で敵として再会したときにお互いの名を知る。

曹操軍の軍師 荀攸と劉備軍の将軍 趙雲。これはふたりの知られざるお話。




終わり
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