無双BOOK

□軍師と将軍の隠れ家
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「これをどうぞ。」
「えっ…?」

荀攸が差し出した物を咄嗟に受け取った徐庶だが驚いた顔で荀攸を見た。荀攸と徐庶はお互いの顔と名前は知っていたが話したことなど無かったからだ。

「えっと…荀攸殿、これは?」

恐る恐る聞いてくる徐庶に表情は変えなかったが悪戯心が沸く。

「恋文というやつです。」
「えっ!?」

荀攸の言葉に徐庶は顔を青くし、辺りを見回す。どうやら荀攸の年下の叔父や友人達を警戒しているらしい。

「俺からではありません。預かっただけです。」
「あっ、なんだそうですか。」

明らかに安堵した表情。

「じゃあ恋文というのも嘘ですよね。」
「……………。」
「えっ…?」

心の中で徐庶の反応を楽しんでいたら年下の叔父に呼ばれたので徐庶を置き去りにしてそちらの方へ向かった。後ろから友人達が徐庶に詰め寄る声が聞こえた気がしたが気にしないようにした。



「はい、これを。」
「ありがとうございます。」

隠れ家で青年に会ったら徐庶からの手紙を渡す。

「いつもありがとうございます。」
「いえ、あなたからの頼みですから。」

二人が手紙でどのようなやり取りをしているのかなんて荀攸は知らない。しかし、二人がどのような関係を築いているのかはなんとなく分かる。

「今度はあの料理を教えて下さい。」
「ふふ、解りました。」

料理の上達と二人の進展が進むに連れ、二人が会える時間は少なくなって行った。
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