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□エイプリルフール
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『エイプリルフール』夫婦陸趙

「伯言様………。」

「子龍っ…!一体どうしたのですかっ!」


ぽろぽろ涙を流す趙雲に陸遜は聞く。



「劉備殿が……今日中に蜀に帰るって……言うんです……。」

時々しゃくりながら言う。



「そんな………。」

「私は…伯言様と離れたく無いのに!」


泣き崩れる趙雲を抱き止め、陸遜は言った。



「大丈夫ですよ、子龍!私が何としても…貴女だけは放さない。」

「伯言様………。」





それから一刻後




「劉備殿っ!」


陸遜は扉を蹴破り、劉備を探した。


「りっ、陸遜殿…。どうなされたかな。」

恐れながら劉備が言うと、陸遜は劉備をギロリと睨んだ。

劉備はひぃっと悲鳴を上げた。


「劉備殿、今日は交渉に参りました。」


交渉しに来たにしては、随分と荒々しいが恐いので黙っていた。



「交渉……?」

「はい、貴方は蜀に姫様を連れて帰りたいですか?」

「勿論、連れて帰りたい。」

「でも、姫様は我々、呉にとっても大切な方です。」

「う〜ん。」

「だから姫様と交換で趙雲殿を我々、呉(私)に置いて下さい。」
「えっ………?いきなりそんな……。」

「私は子龍を放すつもりは有りません。どうしてもと言うのなら……蜀に戦争を仕掛けるか、私がそちらに行きますが。」

「いきなりそんな…。」

「いきなりはそちらでしょう。いきなり蜀に帰るだなんて…。子龍を泣かして…。」

「えっ?嘘?」

「伯言様っ!」


趙雲は陸遜に抱き付いた。」


「私の為に呉を裏切るなんて……、止めて下さい!」

「子龍…、いやこれは自分の為。最後まで子龍と夫婦でいたいから…。」

「伯言様っ!」


抱き合う二人。



「あの〜、えっとゴメン二人共。あれ嘘なんだ。」

「えっ?嘘?」

「今日は嘘を吐いてもいい日なんだ。だから…。」

「…………(-_-#)o(^-^#)o」

「ゆっ、許して……。」




その後、劉備は一ヶ月間だれも見なかった。





「えっ?劉備殿?蜀に帰ったんじゃないですか。」(by陸遜)



終わり
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