+小説+
□マシンガントーク
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彼女はとにかくよく喋る。
「そうそう、そうだったの! それでね、あたしもうおかしくって〜それでさ、そしたら先生がー」
一つ返事したら十返ってくるし、何も返事しなくても話題を変えて百話す。
まさにマシンガントーク。
彼女はとても可愛いから、いつだって初めは沢山人が寄ってくる。
新学期や、総合学習の時のグループ作り。
私は昔から彼女と一緒にいたから、やきもきすることだってあったけれど。
今ではもう全然平気。
私以外の人は彼女のマシンガントークに全身撃ち抜かれて蜂の巣になり、やる気の全てをなくしてしまうってことに、気付いたから。
だから。
「へえ、そうなんだ」
私以外、彼女の側にはいられないってこと、わかったから。
それが、とても。
「うん! えへへ♪ それでね、それでねっ」
とても、とても。
嬉しい。
彼女のとまらないマシンガントークを、世の中の人達は面倒臭い、うるさい、ウザイって言うけど。
私は、それが彼女の愛情表現なんだって、知ってるから。
だからね、もっともっと聞かせて。
雨のように降り注ぐ言葉の海に溺れさせて。
好きだよ、大好き。
あ、でも……。
「それでその犬が……んっ」
ごめん、可愛すぎるから。
唇を塞いじゃいたくなる時もあるよ。
+終+