novel(DB)
□腹ペコ
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「おじ〜ちゃ〜んっ」
肩まである黒髪を揺らし、頭にバンダナを締めた少女が手を振りながらこちらに走ってくる
「もぉ〜、こんな所に居たの?探したわよ、おじーちゃん」
少しこちらを見下ろしながら呆れたように言う少女。
まぁ、オラの孫のパンってんだどな
「ん?オラ暇だったんで、ここでちょっと修行してたんだぞ?何かオラに用か?」
「うん、ママがもうそろそろおじーちゃんがお腹空かせるかもしれないからって、はい、これ」
「うひゃ〜、オラちょうど腹減ってきたところだぞ、やるなぁ〜ビーデル」
ビーデルが差し入れとしてパンに持ってこさせたのは弁当で、普通の人からしたらすごく多い量で、でもオラからすれば少ない量のものだった
「パンも一緒に食うか?」
オラはその場に座り込み、弁当を開けながら聞いた
まぁ、答えはわかってっけどな
「うん、食べる」
予想通りの答えに少し口元が緩んだ
「んじゃぁ食べっか、パンも早く食わねーと全部食っちまうぞ?」
「はいはい、もぉ〜分かってるわよ」
そうして食い始めてからしばらくたったころ、オラはパンの口元にソースがついてることに気づいた
まぁ、オラが先にいっぱい食っていくから、少し急いで食ってときについたんだろと勝手に解釈してっと
「おじーちゃん早く食べないと、もぉ無くなるわよ?」
と小首を傾げながら聞いてくる
(かわいい……)
きっとパンはほかのどこのやつらよりもかわいんだろうと考えていてふと思い出す
そぉいゃー前にビーデルのやつに…
「お父さん、それ、親バカならぬお爺バカですよ、きっと…」
と片手で顔を覆いながら言っていた。ただでさえ悟飯も親バカなのに…とも呟いてたなぁと考えていると
「おじーちゃんどーしたの、ぼーとして?
ほらまた口の周り汚れてる」
そー言いながらティッシュを取り出し、少し前のめりになりながらオラの口を呆れながら拭く
ある程度拭き終えたのかティッシュを丸めていつの間にか空になった弁当箱に入れ、仕舞っていく