英雄王と新たな女王

□第3章 四人との出会い
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白銀の雪世界。
こんな場所に、たった一人。胸は不安で不安でいっぱいだった。


どこまでも厳しく、冷ややかな風が容赦なく頬を打ち、吐く息は煙のように白かった。

足には一応スリッパを履いていたが、やはり雪が入ってきて、靴下はぐしょぬれになった。


夢、だったらいいけど。
夢じゃないなら、ここはもしかして…



そのときだった。木の陰から誰かの足音が聞こえたのは。

逃げようかと思ったけど、足がすくんで動かなかった。


雪を踏みしめる音、木を掻き分ける音、木からどさっと雪が落ちてくる音がして…


「こんにちは!」

その声に思わずびくっとしてしまう。

出てきたのは…小さな女の子だった。金髪のショートボブで、リボンの髪飾りをつけている。
くりっとした瞳が印象的な、愛らしい女の子だった。


彼女は古風な毛皮のロングコートを着ていたが、とても大きく、重そうで、まるで分厚い毛布にでもくるまっているみたいだ。




それから続けて、二人の男の子と一人の女の子が出てきた。

みんな、金髪の女の子と同じような毛皮のコートにくるまっている。


小さい女の子は言った。
「私、ルーシーよ。あなたは?」
『…かりん』ぽつりと呟く。


「私はスーザン」と大人びた黒髪の女の子。

「ピーターだ」と金髪の少年。
「で、こいつはエドマンド。僕の弟だ」



…頭の中が真っ白になった。
『ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシー』


ぐらりと視界が大きく揺れ、めまいがした。

「大丈夫?」スーザンが覗き込んだ。



「ナルニア、ペベンシー兄弟」私は呟いた。
「…どうして、名字がわかるの?」とルーシー。


胸がどきんと高鳴り、嬉しさと恐ろしさの交じったおののきが、全身を駆け巡っていった。
ここは、やっぱり…

『私、ナルニアへ来たんだ…!本の中に入っちゃったってこと…!?』

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