英雄王と新たな女王

□第2章 1943年・イギリス
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昔、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーという四人の兄弟がいて、第二次世界大戦で田舎の屋敷に疎開したときのこと。

そこで、ルーシーは衣装ダンスのなかに入り込んでしまう。
中の外套を押しのけていくと…そこは何と雪の森。

そこで、ルーシーはフォーンのタムナスさんに出会った。


「ナルニアになぜきたんですか?」とタムナスさん。

「ナルニア?」

「ここはナルニアの国です。あの街灯と東の岸辺に建つケア・パラベルのお城との間は至る所ナルニアです」


彼女はそのフォーンの家に招かれたが、衝撃の事実が発覚する。

実はタムナスさんは悪い魔女に子供を誘拐するように命令され、ルーシーを狙っていたのだ。
しかし、彼は心優しい人で、そんなことはとても出来ずにルーシーを家に帰らせたのだった。



ルーシーはタンスから飛び出た。
「帰ってきたわ!」

「何の話?」とスーザン。

「あら?何時間もいなかったのに」


他の三人は顔を見合わせた。
何と、ナルニアで時間を過ごしても、タンスのこちら側では全く時間が経っていないようだったのだ。


そこで、ルーシーは他の三人を連れてタンスに入ったが、森もなければ雪もない、ただの裏の板があるだけだった。


三人は彼女の頭がおかしくなったと思ったし、エドマンドはそのことで妹をからかった。
だが、今度は彼がナルニアに行くことになるのだった。




ある日、四人はかくれんぼをしていて、彼はルーシーがあのタンスに行ったところを見て、からかってやろうとそこに隠れた。

ところが、ルーシーの気配がない。
なので奥へ奥へと入っていくと…そこは真冬の雪の中。


「どれだけ大きなタンスなんだ…」


そこで彼は女王と名乗る人物に出会い、魔法のプリンをもらい、それを食べながら女王に色々と教えてしまう。
自分には兄と姉と妹がいて、妹の方はもうナルニアに来たことがある、と。



女王は兄弟全員を連れてきたら、お前を王にしてやる、と甘い誘惑を彼に投げかけ、去っていった。

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