爆発的な恋人

□仮免から
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オフのかっちゃんと岡山の桃太郎から後楽園に足を運ぶ。
「元気してた?」
「、、まぁな。そっちは。」
「居酒屋、花屋で頑張ってるよ。」
「ほぅか。」

久しぶりに会ったら会話が弾みにくいなぁ。

「仮免受かったんだね。イナサ君から聞いた。あの人、世嵐というだけあって、嵐のような人だった。」
「デカイ奴か。、、ヴィラン遭遇は大丈夫だったか?ベストジーニストが話してた。」
「話が筒抜けだなぁ。さすが、ヒーローの情報網。かっちゃんには話しとく。個性は、炎。、、そうだな。あまり、悪い人じゃなかった。1番、話がわかりやすい。」
「ヴィランにいい奴なんかいるかよ。」
「彼、私に一度も手を出さなかった。育ちがいいんだ。後、デク達が助けた個性巻き戻しのエリちゃんっていう女の子のお世話がかりになったんだ。また、雑務だらけだけど、、。」
「半分野郎から聞いた。経営科に変わるって。」
「普通科もいいけどちょっと事情が変わって。店長から経営を教わることになったから。」
「で、それはいいが課題が終わらないと。」
後楽園の団子を2人で食べながら散歩する。
「かっちゃん、助けて!わからない!」
「、、、参考書かせや。」
場所を移動して古典を教わる。
「ここは、違うだろ。こうなってこうなる。」
「あ、なるほど。」
「経営になったら、普通科みたいに時間は取れるんか?」
「今とあまり変わらないかな?けど、普通科の幾つかは無くなって別の教科になるよ。具体的には古典や物理とかも無くなるかな。その代わりに
経済学とか財政学とか社会心理学とかが入ってくる。得意分野だから、1学期の学習分はもう終わってるんだけどね。普通科おさらいが全く終わらない、、。」
「、、経営科になったら、もう教えれないぞ。」
「う、うん、、。私だってヒーロー科の話は、今やわからないもん。」
「ヒーローにならないならいらない知識だ。お前は欲張りだからなんでも詰め込み過ぎだ。そろそろやりたいことに集中していいだろ。ヘラ鳥の事務所にいるのも経営を勉強するためだろ。」
「は、はい!」
「課題はこれで終わりか?行きたいとこあるか?」
「蒜山高原。」

2人で広い牧場で横になり、上を向く。
「一度かっちゃんとのんびり空を見たかったの。」
「ほうか。」
「いよいよかっちゃんたちとは、別の道か。ヒーローとモブの別れ道だね。」
「何しみったれてんだ。、、お前はヒーローとしても充分頑張ってるだろーが。」
「きっとね。これから、色々起きると思う。かっちゃんがヒーローとして前線に立つときは、今と違う気がするんだ。荼毘見て思ったの。だから、その時は私はモブであまり役に立てない。」
「モブとかヒーローとか関係ねぇよ。お前は俺が守るからお前はお前のままでいろ。お前の夢も俺が守る。」
「デクと喧嘩してから大分丸くなったね。」
「クソナードは関係ねぇ!、、お前もヘラ鳥に会ってから大分大人になってきたな。」

いつも、そうだ。 菜々がアメリカに引っ越す時に会ったら急に大人になっていたんだ。
あいつの成長は、いつでも急だ。高校生の癖にいっちょまえに大人と同じ土台に立って来る。
クソナードよりもさらに先に、いつも立っている。

「女の子は、男の子よりも色んな意味で早く成長するのよ。」
クソババアから 菜々が泊まった時に電話で聞いた。
「 菜々ちゃんは、幼稚園の時から一気に成長したからね。今じゃ本音言えたり甘えられるのはかつきや私達夫婦しかいないの。 菜々ちゃんが来たらやりたいことさせてあげなさい。しっかり甘えられなかった子供が大人になると最期は闇落ちしやすいから。私達が守らないとあの子はいつか、、グス。」
「うっせーよ!ババァ!わかってるっつーの。」
「わかってるなら、お小遣い振り込んだから 菜々ちゃんに使いなさいよ!後かつきも身体には気をつけなさい!」

 菜々のヒーローコスチュームを見る回数が増えるたびに傷を抱え、辛そうにしているのが分かった。活動が増えるたびに寮母の部屋の灯りの時間が長くなるのが部屋から見えた。 
「すみません!!逃げてください!」
蒜山の高原に叫び声が響く。柵が壊れて牧場の牛の群れが暴れて、こちらに走ってくる。
 菜々がジャンプすると暴れ牛の背にのる。
「かっちゃん!」
かっちゃんが爆破を起こし、牛たちを宥める。
「ありがとうございます。」
牧場の人に何度も頭を下げられた。

帰る前に岡山の喫茶店に寄る。
「ひっさしぶりにドキドキしたね。かっちゃん。」
 菜々の顔が赤くなる。
「こんなのヒーローだと日常茶飯事じゃ。ボケ。
、、、大丈夫か。個性の発動が前より遅いぞ。」
「あ、うん。大丈夫。」
「うそつけ。夕方のバイト。休めない、みたいだな。バイト終わりに病院行くようヘラ鳥には連絡しといた。後、こまめに俺に連絡しろ。遠慮したら殺す!」
「ありがとう。かっちゃん。」
かっちゃんに見送られ新幹線に乗った。
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