爆発的な恋人

□仮免から
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「寮母も大変ねぇ。」
店長が閉店作業を行いながら話しかける。
「まぁ、車乗れるようになったから、大分楽ですよ。」
「そうそう。営業車用に車も買ったのよ。はいっ!ワーゲンバス!納品もこれなら、楽でしょ!夢だったのよねぇ。ワーゲンバス乗りながら花を届けるのー。」
「店長って本当儲かってますね、、。」
「これも博多店が繁盛したからヒーロー協会からお金が入ってね。 菜々は、私の招き猫よ。」
「にゃ、にゃんこっ、、。けど車は可愛い!」
「すみませんっす!!」
店中に響く大声。
「う、煩いなぁ、、。」
「自分、士傑高校の夜嵐イナサっす!ブロッサムに会いに来たっす!」
「あの、すみません。私です。煩いです。御用件は?」
「サイン欲しいっす。ホークスの演舞見て惚れ込みました!」
「あ、サインね。はいはい。」 
 菜々がサインをして渡す。
「俺、日本での第一号サイン貰えたんすね!」
「あ、あー、そうかな?」
「嬉しいっす。ありがとうっす。後一つ仮免試験のために、俺とも演舞してほしいっす。」
「えー、店長。」
「地下に柔道場あるけど使う?」
「い、いつの間にリフォームしていたんですか!?」

という訳で夜遅くに、コスチュームに着替える。
「じゃ、時間は遅いから10分。個性なしの肉弾戦で白い線から出たら負け。それでいいわね? 菜々?」
「うー、、明日ランチラッシュの配膳手伝いに行くから朝早いのに、、。」
「よろしくっす!」
イナサ君が大きな体で 菜々を抑えようと被さってくる。
「え、ちょ、急!?」
 菜々は、素早くイナサの股の間を擦り抜けると、軽く背中を蹴る。
「うわっ、あっ!」
イナサは、線からはみ出し、前につんのめった。
「あら。10秒だったの。いらなかったわね。10分も。」
「す、すげぇっす!強いっす!ブロッサム!」
「どういたしまして。」
 菜々は、コスチュームを脱ぐ。
「は、破廉恥っす!」
「もう、 菜々!男の子の前ではしたない!」
「はしたない、じゃないですよ。早く帰らないと門限ですもん。じゃ、店長!後よろしく!」

翌日、心操君と訓練しながら話をする。
「傑物高校の夜嵐イナサ?雄英蹴った奴じゃないか。相澤先生が話していたな。ヒーロー科蹴ったのは、そいつと 菜々だって。」
「そうなんだ、、身体でかくて煩かった。心操君、大分筋トレも速くなったね。基礎体力の向上だよ。じゃ、そろそろ訓練に入ろうか。」
「あぁ。」
 菜々がコスチュームに着替える。
「じゃ、個性使って私を倒して。」
「え!、、、あ、あぁ!」
心操君が 菜々に洗脳をかけるがかからない。
 菜々は、普通に近寄り、心操君の頭にチョップする。
「また、焦ってる。個性がかかりづらくなるから焦るのはダメだし、私が敵ならその間に攻撃するから隠れなきゃ。」
「!?あ、あぁ。ど、どうしてかからないんだ?」
「遺伝子操作で耳の穴、閉じたからだよ。」
菜々 が耳の穴を開く。
「敵が目の前にいる時に咄嗟に動く訓練、かな?次に必要なのは?」
「、、善処する。」
「じゃ、私、進路指導室に行ってくるね。」
「また、なんでだ?」
「夏休みにさ、バイトしてデザインと経営の勉強がもっとしたくなったの。」
「進学するのか?」
「大学でもっと勉強したい、ってのが出てきたの。おかあさんと同じ大学に行きたくて。」
「そうなんだ。応援してるよ。」
「ありがとう。心操君。」

進路指導室から大学の過去問を借り、寮に帰る。
「みんな!ただいま。あ、今から放課後練習?頑張ってね。」
「おー!頑張ってくるわ!」
みんなが訓練に出かけた後、バイトに出る。
「いらっしゃいませ。、、夜嵐君?」
「学校から許可得たっす!仮免受かったらデートしてほしいっす!」
「へ?話が飛んでるなぁ、もう。」
「士傑高校は規則は厳しいけど課題を達成したら、1つだけ生徒の意見が通るっす!自分、ブロッサムともっと話がしたいから仮免受かったらデートしたいっす!」
「いいじゃない。 菜々。」
店長がジュースを出しながら話をする。
「私、熱い男は好きよ?行ってあげなさい。」
「店長さん、ありがとうございますっす!」
「えーー、、。」
「はい。菜々 の連絡先よ。これからは、お店以外に2人で会えるわ。」
「うれしいっす!自分のことは、イナサって呼んで欲しいっす!」
「、、、、。」

「 菜々。」
しょうとに呼ばれる。
「どうしたの?」
「新しく入れて欲しい図書があるんだ。寮にも本を入れようってなったんだ。みんなに聞いてきた。」
「他のクラスからも要望があったからね。いいよ。大量注文した方が安いから。」
「菜々 。何か手伝おうか?」
飯田君とヤオももも声をかける。
「じゃ、飯田君は、高校の図書館の本と要望の本の照合を、ヤオももは、参考書の要望をあいうえお順に。しょうとは、価格表から2人の終わったリストの本の横に値段書いて。」
「わかった。」
4人で事務作業を終わらせる。
「しかし、凄い量だな。菜々 は何してるんだ?」
「廃棄図書のリスト作り。みんなが見た本は、中学や市立の図書館に譲っているから。3人は夕飯の時間でしょ?食べて来て。」
「俺は、、こっちで食べる。」
しょうとが座る。
「菜々 と話がある。」
「いいよ。2人はみんなの夕飯お願い。」

「どうしたの?しょうと君?」
作業を2人でしながら話す。
「八百万から聞いた。士傑の夜嵐と仮免受かったらデートするんだろ?」
「へぁ!?」
「なぁ、好きでもないやつとデートなんかして は、嫌じゃないのか?俺はわからねぇ。親父とお袋見て来たから。」
「私ね、、。私がいて何かの誰かの役に立つなら頑張れるならそれでいい、って思うの。あ、勿論譲れない部分はあるよ?植物カフェの店長になる夢は譲れないんだけど。そうだ。しょうと君。これ、見て。」
菜々 は、ルービックキューブを出す。
「ね、しょうとくんから見てキューブの色は何色?」
「赤、、色。」
「私から見るとこれが青色に見えるの。不思議だよね。同じキューブなのに。見方を変えると変わった色に見える。物事もそうだよ。」
菜々 がキューブをしょうとに渡す。
「冷静になって違う見方をすると楽しいよ。見えているものが全てとは限らないから。」
「、、面白いこと言うな。」
「エンデバーの受売りだよ。母さんが亡くなって凹んだ時に教わったの。私、エンデバーさん、好きだよ。母さんの葬儀に来てくれたヒーローはエンデバーさんだけだったし、幼い私が泣き止むまで黙って抱きしめてくれたから。」
「、、、親父が、、、。」
「、、っと。作業終わったね。しょうと君のご飯取ってくるね。」
「俺は、、、誰かのヒーローになれるだろうか?」
「なれるよ。しょうと君なら絶対なれる。お茶、入れるね。」
「夜嵐とのデートがいいなら、俺もいいはずだ。」
「ん?」
「俺も仮免受かったら、デートしてくれ。話がしたい。」
「んー??」
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