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□恋バナ
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全員起床し、朝食の時間
みんな美味しそうに朝ごはんをもぐもぐと食べている。
基本朝と夜は食堂のおばさんが作ってくれ、昼は私たちマネージャーが差し入れとしておにぎりやカレーなどを作るようになっているようだ。
「染岡くん、さっき起こしに行ったらいなかったけどもしかして練習してたの?」
「ああ、早くに目が覚めちまってな、ランニングしてたんだよ」
「朝からランニング…今からの練習しんどくないの?」
「へっ、そんなのへっちゃらさ」
染岡くんはドヤ顔でそう答える
どんな体力してるんだろ…やっぱ強豪校の選手は言うことが違うなぁ…
「ごちそうさま!さあ練習始めよーぜ!」
食べ終わったと同時に練習へ向かおうとする円堂くんに他の部員達もみんな食べ終えたらすぐにグラウンドへと向かった。
みんな、ほんと元気いっぱいだな…
「かりんちゃん、ご飯食べおわった?」
「あ、うん、終わったよ、私達もグラウンドに行かないとだよね」
「いえ、今から差し入れのおにぎり作るんです!キッチンへGOです!」
「え!」
そう言って気づいた時にはやる気満々の秋ちゃんと春菜ちゃんが腕まくりをして準備していた。
「おはよう、みんな」
「あ、夏未さん!ちょうどよかったです、今からおにぎり作るところでした!」
「そう、間に合ってよかったわ」
夏未さんはどうやら昨日は学校で別のお仕事をしてたようで寮には帰ってこなかった。
「夏未さん、お仕事お疲れ様です」
私は疲れているであろう夏未さんを労るように持っていた荷物を預かり近くの椅子に置いてあげた。
「ありがとう、かりんさん
それじゃあおにぎり作りましょうか。」
「うん!」
キッチンへ4人のマネージャーが集まると炊きたてのお米が既に用意されており、1人30個ずつ握るというノルマが託された。
「30個って4人で作ったら120個だけどみんなそんな食べるの?」
「みんな食べるよ〜、ちょうど練習でお腹空かせてる頃に出すやつだからね」
「まぁほとんど壁山くんが食べてしまうのだけれど」
夏未さんのその発言になるほどと納得してしまった…
「ところでかりん先輩は誰にいちばん自分の握ったおにぎりを食べてもらいたいですか?」
「…ふへ?」
いきなりの春菜ちゃんの質問に私は変な声が出てしまった。
「あー、私もそれ気になる!」
「興味深いわね」
「ちょ、秋ちゃんと夏未さんまで…
誰にって…別に誰でもいいよ?
食べてもらえるなら誰だって嬉しいし」
「またまた〜、そんなこと言っちゃって!」
春菜ちゃん、なんでそんな楽しそうなの…
「ずばり当てていいですか?ズバリ!!吹雪先輩ですよね!」
「うんうん、私もそれ思ってた!」
「な、なんで…?」
「私、2人すっごくお似合いだと思うんです!
昨日だって一緒にボールの入った箱運んでたし」
「あ、あれはたまたま吹雪くんと会って手伝ってくれただけだよ?」
「さっきだって、かりん先輩が吹雪先輩を起こしに行った後顔が赤かったです!なにかありましたよね?!」
「ええ…!?な、なにもないよ…
気のせいだよ…」
「気のせいじゃないですよ!吹雪先輩だってかりん先輩のことちょっと気になってる感じありますし!」
「ちょっと音無さん、落ち着いて…」
夏未さんが興奮している春菜ちゃんを止めに入る。
「あ、すいません!私ついこういう話になるとテンションが上がっちゃって」
春菜ちゃんは恋バナが大好きのようだ。
「あはは、残念ながら春菜ちゃんが言うようなのじゃないよ、私は別に吹雪くんのことなんとも思ってないし吹雪くんも私のことなんとも思ってないよ」
私は苦笑いで答える。
「えー、そうなんですか…なんだ、残念…」
春菜ちゃんはとても残念そうだ。
私はみんなと同じように接してるつもりだったんだけど周りからはそう見られちゃってる…のかな?
恋バナは後にも少し続き、どうやら夏未さんと秋ちゃんは円堂くんのことが気になっているようだ。
2人は当然否定していたけどそれは明らかだった。
2人ともライバルだね…がんばれ!!
それにしても円堂くん、こんなかわいい2人に好意を持ってもらえるなんて羨ましいな
本人は頭の中サッカーのことしか考えてなさそうだけど、、、
私はみんなとこうやって話す時間がとても楽しかった。
ずっと続けばいいなって思った。
そうこう話をしているうちにおにぎりが完成した。