読の間〜小説

□二章:誘い込まれたのは?
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そう、これは全て、計算された状況だったのだ。
だからカロルは宣言した。

「3分以内に片をつけます。
ロイド様はどうぞ、お体をお休めください。」

相変わらず余裕の態度を崩さないカロル。
だが、追い詰められている状況は何一つ変わらない。

「んなら、ありがたくそうさせてもらうとするか…。
よいしょっと…。」

緊張感漂う空気…。
ロイドは場違いな行動をとる。
敵に囲まれてるのに地べたに座り込んで(くつろ)ぎ始めたのだ。

「リミッター解除。
これより、キリングモードへ移行します。」

唐突に危険信号を発生させ、周りの敵も怪訝(けげん)な言動に動揺を隠せないでいる。
その瞬時に、カロルが動きを見せた。

いつの間にか取り出されたマンゴーシュ、扱いが難しいとされている代物(しろもの)
(つか)と刃の間に、大型のガードがついている今時珍しいナイフだ。
それを左手に構え、右手にはロイドにより改良された連射マグナム。
オリジナルの特注品を構える。

前方にいる敵の1人が先制攻撃を仕掛けてきた。
ライフルによる連射だ。
1発、2発、3発と次々に発射される弾をマンゴーシュで弾き返しカウンターを食らわせる。
並々ならぬ神業だ。
それもそのはず、彼カロルは、人を滅す事のみに特化された殺戮兵器(さつりくへいき)なのだから…。


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