読の間〜小説

□三章:一騎当千の殺戮兵器
2ページ/2ページ

「くそお、調子こぎやがって!
ロボットだが何だが知らねえが、仲間の(かたき)だ!
ジャンクにしてやるうぅぅぅ!!!」

怖じ気づきながらも目前(もくぜん)の敵が3人同時に、大木(たいぼく)(かげ)から奇襲を仕掛けた。
カロルは瞬時に反応したが、さすがに全ての攻撃を()けきれなく、
とっさに持っていたマンゴーシュを顔面ぎりぎりでガードした…。
のだが…、反撃の衝動に耐えきれず、顔に傷を()ってしまった。
自らのナイフが(あだ)となってしまったのだ。
一瞬、動きが止まるものの、痛みを感じない彼にはあまり効果はないようで…。
そのまま攻撃を続行する。

敵の頭上に飛び上がり、空中前転。
そして、敵の背後に着地し、先ほど仕留めたように、首筋めがけてマンゴーシュで掻き斬った。
その行為はものの2秒。
もう2人敵が居るにもかかわらず、カロルは動こうとしなかった。
なぜなら、「もう、死んでいる」から…。

時間差で敵2人の動きが止まる。
ズルリズルリと、不快な音をたて、切れた斜面(しゃめん)を滑り、生首だけが地面に落下。
その後、2人の身体(からだ)も横たわり、合計3体の(しかばね)が早くも出来上がる。

ドサリ…。ドチャッ…と。
不快な音で地面を濡らす。
何が起きたのか理解の得ない現象が、周囲を満たしていた。

くつろいでいたロイドも流石に動揺を隠せないでいる。

「お、おい、何が――。何が起こった!!?」

「敵勢力の鎮圧を確認、任務完了。
ロイド様、落ち着いてください。
このマンゴーシュで居合い抜きをいたしました。」

平然と言い張るが、通常の居合いならばあのような現象は起こらないばずなのだが……。


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ