華の間


□うつむく先の命
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前を向いて歩いてみても
いつの間にか うつむいていて
つまらない
どうせ明日も変わらない
意味のないものばかりが募る毎日

いっそ この世から消えてしまえたなら
私1人が消えたところで
世界は何ごともなく廻り続ける

空も同じ
明日(あす)が来なければいいと思っていても
平等に 広く 青く
いつもきれいで残酷

嫌な日に限って 曇り空だったり
雨天だったり 稲妻が走ったりと
どんな時だって
平等に 日が暮れ 明ける


また うつむき歩く
いつの間にか 下を向くのが癖になっていて
生きる理由にも繋がっていた

うつむくのも案外悪いものではない

足元には 小さき命が
懸命に生きようとしていた

緑の草花 小さい昆虫
土から顔を出す根菜
踏みつぶさないように
気をつける者など
いないのだろうけど


前を向くと
大勢の人に埋もれては はぐれる
上手く歩けない

上を向くと
逆光した陽の光が眩しい
目が眩んでしまう

そして下を向くと
小さき命の声がする
懸命に生きようとする
数々の言葉が落ちていた

それを拾っては
また 元気をもらう

その命は泡沫(うたかた)
尊いもので
教えてくれてるんだと思う
覇気(はき)がないもの達に
「元気だせ」って励ましてくれてる
命を張って

そんな風に考えるのは
都合がいいだろうか?


それでも


未来への道よりも
空の陽の光より
うつむく先の 命の方が
元気の源



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