陽の間


□雪夢結晶(せつむけっしょう)
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寒空の(もと) 身体を震わせ
街中を ひとりさまよう少女

ふと 立ち止まり 空を仰ぎ見れば
ふわり ふわりと
白い結晶が舞いおどっている

差し出すと 淡い雪片(せっぺん)
(たなごころ)へ落ちる

溶けぬように 消えぬように
いつかくれた温色を
胸へと しまい込んだ
私にとっては数少ない思い出

不意にこぼれでた言葉
「この手に もう一度 温もりを」

儚いこの結晶のように
消えてしまう前に……。
胸にしまい込んだ温色が
冷めてしまう前に……。


その時 鮮やかな光景が通り過ぎる
振り向くと 寒々しい路地裏…

疲れていたのだろう
眠り込んでいたようだ
やはり まぼろし

だけど 目の前には
いつか 願った希望が
そこに――。

それは小さな箱
開ければすぐに
甘い匂いが鼻をくすぐった
苺が乗っていて
砂糖菓子で出来た
小さなサンタさんがいて
板チョコには
「merry X'mas!」

私の元にも
プレゼントが届いた
願っても いいの?
夢を見てもいいと――。
信じても いいの?
夢では終わらないと――。


私の胸にも生まれた
雪夢結晶(せつむけっしょう)
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