陽の間


□冷えた温もり
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笑顔が似合う素敵な女性(ひと)です
朗らかな笑顔が好きでした、
今もきっと

温かさなど感じさせない
氷のように 冷たい笑顔
どうして 変わってしまったんだ
それでも心は温かなまま
だからこそ、
その笑顔が辛く悲しい


爛漫(らんまん)に輝かせる情緒
感情豊かなあなたが好きでした、
今もずっと

凍りつきそうな
底冷えした手のひら
私の身体まで凍えそうだ
どうして 失ってしまったんだ
それでも繋がれた想いは温かなまま
だからこそ、
冷えた温もりが酷く悲しい

身体に受けた傷痕
指先で辿ることで
癒えたなら良かったのに
悲しんだのも 傷を負ったのも
そして、酷く冷たい笑顔も
全部 声にならない 涙の証
そして、酷く冷たい温もりも
全部 押し殺して出来た 心の記憶

それら全てを抱えて
私に笑いかけていたのか
きっと 守るため、自身を
きっと 保つため、自分を


どうして 無くしてしまったのか
その冷たい笑顔だけが
知っているのだろう
どうして 失ってしまったのか
その冷たい身体だけが
知っているのだろう

「温もり」を思い出して!
「心」を取り戻して!
君を取り戻すために
抱きしめさせてくれませんか?

あの頃の爛漫(らんまん)さが
冷めた温もりとして存在している

痛みが目に見えていたなら
言葉で傷を消せていたなら……

笑顔が似合う素敵な女性(ひと)です。
感情豊かなあなたが好きでした

今も そう ずっと
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