陽の間
□淡雪
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眠気眼で
窓の外を眺めて見ると
そこには 真っ白世界が降りていた
寒気で凍った 水蒸気の結晶
陽光を受けてキラキラ光る
ダイヤモンドダスト
露が降りたのか
緑の葉には うっすらと
白い羽織が掛けられていた
宝石? 水晶?
とにかく全部に奪われて
眠気なんて 一瞬で吹き飛んだ
ふわり ふわりと
手のひらに落ちてきた一粒の白
触れた瞬間に
はかなく溶けゆく運命
すぐ消えてしまうから 美しく映える
ふわり ふわりと ふわふわり
時が止まった様に
街には白一面 雪化粧に染まっていた
まだ踏まれていない
地面に積もった白い絨毯に
けんけんぱで 楽しそうに
足型つけ 遊んでる
雪のいたずらかな?
滑って 尻餅ついては 苦笑い
こんなこともあったね
ころころ転がして出来上がったのは
大きな雪だるま
味気無いから 飾り付け
ひと時の命が吹き込まれた
体はこごえて震えてる
でも 胸の闘魂は燃え上がる
待ったは無しの
無邪気な真剣勝負 雪合戦
懐かしいな
甦る 忘れてた
純粋な喜び 笑顔
雪どけに顔を出すスノードロップ
白い花がほころぶ
瞼を伏せると感じる
暖かな兆し
耳を澄ませば 聞こえてくる
淡い息吹
そんな想いを馳せたなら
春の訪れ すぐ傍に