しあわせ色

□贈り物
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もし貴方と出会えてなかったら
わたしはどんなわたしでいただろうと
ふと、考えるときがある
きっと今と変わらない日々を過ごし
長い刻を生き
貴方ではない人の為に息を吸い
貴方ではない人の為に命を捧げる
もちろんそれで私は満足なのだ
しかし、何かが足りないと
時折り首を傾げ
それでも、何かが足りないと
あるはずもない答えをつきとめる為に
少しの物思いにふける
それでもやはり、何かが足りないと
体の奥のわたしの柔らかく脆い部分が
疼くような感覚に酷く嫌悪する
ただ、ただ、足りないと
そう、繰り返し
そう、思うだけなのだ。
もし貴方と出会えてなくても
きっとわたしは対して変わらない












少しだけ寂しい
きっとそれだけだ












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