しあわせ色

□歓迎会
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白い薔薇を抱えた
それを私は貴方に見せたくて
貴方だけに、見せたくて
走って
走って
走った
貴方を思って
思って
想って
想いが届かないなんて
届けてはいけないなんて
そんなことは分かってる
でも、
心の中で誰よりも
自分が1番貴方にふさわしいなんて
そんなことを考えている
1番なんて望んではいけない
そう、
貴方のそばにいれるだけで
私はこんなにも嬉しいのだ
貴方のそばにいれるだけで
私はこんなにも満たされるのだ
走ってたどり着いた貴方のもとで
薔薇なんて渡せず
背中でぐしゃりと握り潰した
何もないように貴方に向かって
笑ってみせた







白い薔薇の花言葉は
「私は貴方にふさわしい」
なんて、
随分と傲慢な願いだ








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