愛のはなし 拓斗×咲哉
□心のほどき方
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「で?体の相性はどうだった?ノンケの男がお前を満足させられてるのか?」
夏休みが終わり新学期が始まり科学準備室へ行くと八束先生に聞かれた。
あまり聞かれたくない内容だが、ほぼ全てを知ってる先生には渋々答えた。
「まだキスしかしてない」
「嘘だろ?」
一番思ってるのは俺自身だ。
ほぼ毎日セックスしまくっていた俺が4ヶ月近くセックスをしていないんだから。
「お前から襲うこともないんだな」
デートの度に抱きついて押し倒したい衝動に駆られるが、至って健全な付き合いを遂行中だ。
「ノンケだから男同士のセックスが分からないんじゃないか?」
そんなこともあるかもしれないが、もしかしたらやっぱり男同士でそういうことはしたくないのかもしれない。
「まあ、高校生だし。いいんじゃないか?面白いし。健全にキスまでで。淫乱なお前がそんなに耐えられてるのが奇跡だけどな」
「淫乱って…」
「自覚ないわけじゃないだろ?犯されるのも縛られるのも玩具使われるのも好きだろ?ああ、あと我慢させられるのも」
「や、やめろよ。思い出すから」
頬をほんのり赤らめてしまう俺はやっぱり淫乱なんだろう。
「でも、拓斗とはキスだけでも気持ちいい」
「キスだけでいかされる?」
「いってはないけど。まだ、そんなキスは、してないし…」
「ほぉ。まぁ、楽しんで我慢しなさいよ。健全に。」
先生との下ネタ話で余計に欲求不満になって終わった。
教室に帰る廊下で由美と出会い、何かを聞き出したそうにしていたが、分からない振りをしてやり過ごした。