dream

□シェーン&ハーヴィー
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「ええと、今日の健康診断は……ミカウさんとシェーン…」

診察室に貼られたカレンダー
そこに書かれた名前を指でなぞりながらハーヴィーは呟く。
真新しいカルテを一つ、更にやや使い込まれたカルテを一つ取り出しながら時計を見上げる
予定の時間の5分前だ。
そこへナイスタイミングで診療所の扉が開く音がした

「せんせ〜」

想定していた2人に加え、愛しい存在を視界に入れた瞬間ハーヴィーの口元は緩んだ

「テトさん、いらっしゃい。シェーンもミカウさんもよく来たね、さぁこっちへ」
「…(ハーヴィーのやつ分かりやすいな)」

軽い会釈を済ませたミカウとシェーンは仲睦まじく会話するテトとハーヴィーの後ろを着いて、いつもの狭い診察室隣のベッドが並んだ部屋へと進んだ。
今日は二人連続の健診だからと広めの部屋で準備されていたらしい

「さて…と。どちらから始めましょうか?」
『…私からお願いします』

ではこちらに、とカーテンが張られた仕切りの向こうへミカウとハーヴィーが移動した。
薄い布の一枚向こうで行われるやり取りは健康診断で違いないのだが、ぼんやりと映し出される黒のシルエット越しに見るそれは何故だか少し胸の鼓動を早めさせる。
腕と足をそれぞれ組みながら座るシェーンの隣へテトが腰掛けた

「ね、影で見るミカちゃんってエッチじゃない?」
「お前なぁ!」

考えてることを見抜かれたのかと錯覚するほど、彼女の言葉はシェーンの真意を捉えていた。
ニヤニヤと笑みを浮かべながら小声で囁く

「ほら見て、口開けてる〜なんかいやらしいよね。次は心音かな?服まくってるよ。ミカちゃんってスタイルがハッキリしてるからよくわかるなぁ〜」
「………」

最初は聞き入れるつもりのなかった彼だが、どんどん目の前の映像とテトの発言に引き込まれていった。
豊満な身体を晒し全身をくまなく調べられていく、恥ずかしそうに瞳を伏せては冷たい聴診器が胸に当たる瞬間に小さな吐息を漏らすのだろうか。
暫く仕事でミカウとゆっくり会う時間もなく過ごしていたせいで色々とご無沙汰なせいか、頭の中の彼女を乱れさせるスピードは速かった。
そこへ抗議の声が飛んでくる

「い、いやらしいことをしてるみたいに実況するのはやめなさいテトさん!」
『変なこと想像しないで…!』

衝立の向こうから顔を覗かせたミカウ
彼女は自身がどんな想像をされているのか察したらしく、頬を赤らめていた。
そんな二人からの抗議をテトはへらりと笑いながら返す

「えへへ〜、ついつい!」
『…もう…!』
「……(恥ずかしがってんの珍しいな)」

再び衝立の向こうへ消えた彼女の表情を思い出自身の胸の内にゾクッと醜い欲望が湧き上がるのをシェーンは感じ取っていた。










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