歌詞に込めた想い
□歌詞に込めた想い
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この物語は一人の男が歌詞という魔法で様々な人を勇気づけ、励ます物語である
(ジリリリリリリィ)
裕翔「ん〜。うるさい」
けたたましい音を鳴らす目覚まし時計を手探りで探し、どうにか止めた
裕翔「ん〜。今何時だよ」
俺は寝ぼけながら時計を見るとすでに8:30を回ったところだった
裕翔「やべっ!遅刻する!」
俺はベッドから飛び起きて、クローゼットからワイシャツと制服を引っ張り出し、大急ぎで着換え、リビングに駆け降りた。
裕翔「昼めし作ってる暇ねぇから購買で買うか。よし、忘れ物はないな。行ってきます」
誰も居ない家に向かって言い、自転車で高校に向かった
10分後、俺が学校に着いたのは始業3分前だった
裕翔「ハァ、ハァ、ハァ。ま…間に合った。おはよう」
?「あれ〜。裕翔が遅刻しないなんて珍しいね。今日、雪でも降るの笑」
?「本当、いつも遅刻常習犯のくせに」
裕翔「るっせ。俺だってたまには起きれるんだよ」
?「ハイハイ、すごいですね」
裕翔「おい、美玲。棒読みバレバレだぞ」
こいつらは込山榛香と佐々木美玲。こいつとは小学生の時からの幼なじみで、いわゆる腐れ縁である。
美玲「まったく、毎回、朝弱いくせに夜ふかしするからいつも遅刻するんだよ」
裕翔「しゃねぇだろ。歌詞書くの時間掛かるんだからよ」
美玲「それにしてもよく飽きないよね。あたしだったらとっくに飽きてるけど」
榛香「確かに。作詞活動もう何年やってるっけ?」
裕翔「ん〜。4年?ぐらいだった気がする」
そんな話をしてると
?「お〜い。そこの仲良し三人組。授業始まってんぞ。ちゃんと聞いとけよ。特にそこのバカ二人」
榛香「設楽先生!もうちょっとオブラートに包んでくださいよ〜」
美玲「うちらは女の子なんですからね」
設楽「おぉ。すまんすまん。つい本音が漏れちまってよ」
((あはははは))
このやり取りがこのクラスの恒例になっている。この二人はクラス、いや学年きってのおバカコンビだから毎回テストのたびに俺が教えているのだがいかんせん学習してくれないから俺も手を焼いている
裕翔「先生、そろそろ始めないと時間が…」
設楽「おう、じゃあやんぞ。昨日の続きからな。68ページ開け〜」
昼休み
俺はケータイと財布を手に校舎の端っこにある購買へと走った。
ここの購買はボリュームがある上に安いと評判のため、いつも争奪戦になるのだ!
裕翔「ハァ、ハァ。おばさん、コロッケパンと焼きそばパン。それと野菜生活ちょうだい」
おばさん「ハイハイ。いつものやつね。はい、500円ね」
おばさんから受け取ると俺は屋上に向かった。これで500円なのだから学生にとっては嬉しいことだ。
裕翔「いただきます。うまっ」
俺はパンを片手にケータイで授業中に浮かんだ歌詞を打ち込んでいく。これがいつものルーティーンになっている
すると
?「あっ、やっぱりここだったんだ。裕翔くん」
裕翔「絢音か…みり愛と伊織は?」
絢音「多分、もう少ししたら来ると思うけども」
伊織「あ〜。やっぱりここにいた」
裕翔「案外早かったな。来るの」
この三人組は俺のクラスメイトであり、アイドル部の鈴木絢音、渡辺みり愛、そして相楽伊織。この三人の他にもう一人いるんだけど今日はいないみたい
みり愛「それってうちらの新しい曲?」
裕翔「まぁな。でもまだ浮かんだやつを書いてるだけだから今微調整中」
伊織「出来上がるの楽しみ〜。早く踊ってみたいなぁ、裕翔くんの曲で」
裕翔「そういえば真夏さんは?」
絢音「いつも通り、男子たちに捕まってるみたい笑」
裕翔「まぁ、あの人もなんだかんだ人気あるからなぁ。もうちょっとあざとくならないと完璧なんだけどなぁ」
みり愛「でも真夏さんからあざといを取ったらなんにも残んないじゃん笑」
その後も俺たちは話題が尽きることなくギリギリまで話し続けた