夢を追いかける君をずっと側で見ていたい…
□6 運動会の練習ってキツいよね…
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幸村「この前、言っていた今、描いてる絵ってここの事?」
『そうだよ。』
幸村「見てもいい?」
『いいけど…まだ、色も入って無いからぐちゃぐちゃだよ?』
幸村「…そんな事無いよ。これに色が入ったら、もっと素敵なんだろうなー。」
『気に入ってくれたの?』
幸村「君の絵は、みんな素敵だからね。」
『この絵が出来たらお店にある屋上庭園の花の絵、あげようか?』
幸村「えっ?いいのかい?」
『うん!あの花は、精市くんが端正込めて育てた花だから貰ってもらいたいんだ。』
幸村「嬉しいよ。ありがとう!」
『えへへ。早くあげたいから、この絵を早く仕上げるね!』
幸村「ゆっくりでいいよ。名無に負担は、かけたくないから。」
『叔母さんから貯金が目標金額まで貯まったって言われたの!それで叔母さんが勉強に励みなさいって言ってくれたんだ!』
幸村「おめでとう。じゃあ、バイトはもうしないって事?」
『しなくていいって言われたんだけど、楽しかったから休日とか好きな時に手伝う形で良くなったの。』
幸村「そっか。じゃあ、また名無の紅茶が飲めるんだね。ニコ」
『うん!』
幸村「あっ!俺からも1つお願いをしてもいいかな?」
『ん?何?』
幸村「バイトは、cafeの時間までにしてくれないかな?」
『えっ?何で?』
幸村「女の子が、夜遅くに帰るなんて危ないのと朝からちゃんと名無に会いたいから。ニコ」
『あっ…精市くんって狙って言ってる?///』
幸村「ふふっ、何を?ニヤリ」
『…別に…何でもない。///』
幸村「お願い聞いてくれるよね?ニコ」
『分かった。バイトはcafeまで。学校も朝からちゃんと登校します!』
幸村「ありがとう。」
((精市くんって恥ずかしくないのかな…?あんな事をさらっと言っちゃうなんて…///))
幸村(やっぱり、名無は可愛いな。///)
彼女の今の姿は、学校の時の長い前髪を下ろし顔が見えない姿ではなく。前髪は横に流し顔がはっきりと見える姿になっている。
幸村は、彼女の顔を見て思った事を口にする。
幸村「学校でも、このままで来ればいいのに。」
『あぁーうん。今までは、バイト先に誰が来てもバレないように顔隠してたんだよね…。』
幸村「学校の日は、あまりバイトしないんだったら、もう顔を隠さなくてもいいんじゃないかな?」
『でも、今更って感じじゃない?』
幸村「そんな事は無いと思うよ。明日からこれで来なよ。」
『う〜ん…分かった。』
幸村「そろそろ、暗くなるね。家まで送るよ。」
『えっ!いいよ、悪いし。』
幸村「遠慮しないで送らせて?」
『じゃあ…お願いします。』
幸村は、彼女を家まで送って行く。
『ありがとう。あの、寄って行く?』
幸村「俺も男だよ。友達でも警戒しなさい。」
『?』
幸村「ふふっ。じゃあ、また明日ね!」
『うん!気をつけてね!』
幸村(全く、警戒心がないんだから…。それとも俺って男として見られてない?それは、それで悲しいな。)
次の日
彼女は、前髪を横に流し顔がはっきりと見える姿で登校した。
((はぁ💨緊張する…。))
『おはよぉ…ございます。』
生徒達「おはよ…。(誰?)」
幸村「おはよう、名無。ニコ」
『おはよう、精市くん。ニコ』
えっーーーーー!!!
『ビクッ!!』
幸村「まぁーそうなるよね…。」
男子1「名無しさんさんなの!!?」
『…はい。』
男子2「うっそー!めちゃめちゃ美人じゃん!?」
幸村「…。」
男子3「ねぇー彼氏とかいるの?いないなら俺と…」
幸村「あまり騒がないで貰えるかな…名無が迷惑がってるよ。ニコ」
男子一同「あっ…すみません。」
男子一同は、幸村の黒笑顔を見て一気に名無の回りから居なくなる。
女子1「誰よ、地味子なんて言ったの!めちゃめちゃヒロイン顔じゃないのよ!!」
女子2「あんただよ…」
女子1「あっ!そっか…」
女子3「てか、何なの💢幸村君の事、下の名前で呼んでたよね?」
女子2「幸村君も名無しさんを下の名前で呼んでた…」
女子3「うっざー💢」
女子達の怒りが絶賛上昇中。
体育授業の時間になり運動会の練習で幸村と名無は二人三脚の練習をしていた。
幸村「名無、行くよ。」
『はっはい!!』
幸村「せーの!!1、2、1…」
グギィ
『あっ…』
幸村「危ない!」
前に転びそうになる名無を右腕で抱える幸村。
『はぁ💨何回目…?』
幸村「いっぱいだね。」
『ダメだ…。ゴールまで行ける気がしないよ…』
幸村「諦めない。」
『はぁ💨ごめんね。何回も転ぶ前にキャッチして貰っちゃって…。』
幸村「あぁーそれは、気にしなくていいよ。役得だから。」
『へっ?』
幸村「ふふっ。いいから、いいから。練習するよ!」
『うん…』
男子一同「幸村いいなぁ〜。名無しさんが、あんな美人だったんなら俺が組みたかった…。」
女子一同「何なの。これは拷問か!!幸村君と名無しさんが常にイチャイチャしやがって💢転ぶなら派手に転んで棄権してくれれば、幸村君と組むのは、私♥️」
昼休み 屋上
((あぁ〜体が、あっちこっち痛い…。))
『もう、痛すぎる!!』
仁王「バカでかい声ぜよ。名無、こっちに来るなり。」
『雅くん、居たのか…。痛いから無理。』
仁王「仕方がないぜよ…。この俺を顎で使えるのは、おまんだけなり。」
『…。』
仁王「おっ!?今日は、素顔を晒してたのか。」
『素顔って…』
仁王「やっぱり、こっちの方がええのぅ。可愛いぜよ。」
『体痛いから反応しないからね。』
仁王「冷たいのぅ…。どれ、筋肉痛に効くマッサージをしてやるぜよ。」
『えっ!?本当!!ありがとう!』
仁王「任せんしゃい!」
その頃、幸村は湿布を持って屋上に向かっていた。
『あっ…ダメ…。』
幸村(あっ!名無の声だ。やっぱり、ここに…ん?)
仁王「何がダメぜよ…ちゃんと言いんしゃい…ふっうんっ…」
幸村(…仁王?)
『む、無理…痛いの…。これ以上は…お願い…だから…止めて…あっ…。』
仁王「ダメぜよ。はっ…ほっ…ここで止めたら、後が辛いなり…。」
幸村(!?…二人は…なっなにをして…)
『もぉ…ダメ…あぁ。』
バタン
幸村「なにをしてるんだ!?」
『離せバカ!!痛いって言ってるんだよー💢』
仁王「おぉー怖!名無、幸村がビックリしてるぜよ。」
幸村「へっ!?」
『あぁ〜痛いかった…。何が、筋肉痛に効くマッサージよ!!激痛じゃない!』
仁王「そうだったか?」
幸村「…。」
仁王「幸村。なにを想像してたなり?ニヤリ」
幸村「俺は、別に…。名無、湿布を持って来たよ。痛い所に貼りな。」
『精市くん!ありがとう、助かるよ。』
仁王「ほーう。いつの間に二人は下の名前で呼び合う間柄になったなり?」
幸村「昨日、名無と森林公園で話をしていて、それでだよ。」
仁王「昨日、デートねぇ…。」
『違うよ。たまたま、会ったんだよ。』
仁王「ほぉーう。」
名無は、体に湿布を張り出す。
幸村「名無、貼れたかい?」
『う〜ん…。あと1ヶ所貼りたいんだけど…手が届かなくて。』
幸村「貼ってあげるよ?」
『でも…』
幸村「何処なんだい?」
『…せ、背中なんだけど…。』
幸村「えっ…。」
仁王「クスクス。初心な幸村には、まだ無理ぜよ。名無、背中をこっちに向けるなり。」
『うん…。あまり、かばってシャツ上げないでね///』
仁王「心得てるぜよ。この辺りか?」
仁王は、シャツ越しに患部を押す。
『そぉーそこ!!』
仁王「分かったなり。」
仁王は、馴れた手つきでシャツを捲くり背中を見ないようにして湿布を貼る。
幸村も目を反らす。
仁王「出来たぜよ。」
『ありがとう。精市くん、顔赤いよ?大丈夫?』
幸村「こっこれは…///」
仁王「おまんのせいぜよ!」
仁王は、名無の頭にチョップを食らわす。
『ひっどーい。』
仁王「さて、俺は幸村と少し話があるなり。先に教室に戻るぜよ。」
『うん、分かった。』
名無は、その場を立ち去る。
幸村「…何だい話って?」
仁王「女達の動きに気づいとるか?」
幸村「…うん。」
仁王「そうか。それなら、いいぜよ。俺らが一定の女子と仲良くするって事は大変な事なり…。」
幸村「そうだね…。」
仁王「まぁー俺のファンは幸村程、多くないから大した事ないがな。」
幸村「でも、俺と仁王のファンが一緒になったら大変な数になるね…。」
仁王「そうだな…。はぁ💨」
幸村「手を出されないように、彼女が傷付かないようにしないと…。」
仁王「いっその事、俺の彼女って噂を流すかのぅ。ニヤリ」
幸村「仁王。それは駄目だよ。ギロ」
仁王「クックック。そう、怒りなさんな。冗談ぜよ。ギロ」
二人は話し終わり、各教室に戻って行った。