みんながいたから今の私がここにいる…
□8 馬の世話
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⚠️注意⚠️
髭切さんのキャラが、少しひねくれています。髭切さんのキャラ崩れを見たくない方は、一番最後は見ない事をお進めします。
『ここには、馬も飼ってるのかぁ…。馬の世話なんてやったこと無いけど出来るかな…。いやいや、出来るかなじゃなくってやるんだ!生き物に優しく接すれば、きっとその誠意に答えてくれるはず!!…多分。』
主は、馬の世話をしに馬小屋に行くと既に馬の世話をしている者が居た。
膝丸「どうだぁ?ここが、痒いのでは無いか?」
ヒヒィ〜ン
膝丸「そうか、そうか。ここか!じゃあ、良く梳かしてやるからな、望月。」
ヒィ〜ン
((膝丸さんだ…すごい。馬さんと会話してます。負けて居られ無いですね!私も、馬さん達と信頼関係を築かなくては!!))
『こっ…こんにち…は…ひっ膝…丸さん。』
膝丸「ん?あぁ…君か。」
((しまった!!馬さん達と信頼関係を築く前に…膝丸さんの前でバリバリ人見知り発動してしまった!))
『あっ…あの…うっ馬さんの…おっお世話を…しているのですか?』
膝丸「そうだが…大丈夫か?」
『なっ何が…ですか?』
膝丸「君の話し方だよ。俺が、嫌なら…無理に話し掛けなくても良いんだぞ。」
『違います!!ひっ膝…丸さんが…いっ嫌とかでは、なっ無く…その…わっ私が…人見知りなのが…わっ悪いので…すっすみません。』
膝丸「人見知りねぇ…。そんなに、おどおどしていると馬に伝わり馬達が怯えるぞ。」
『あっ…ごっごめん…なさぃ…。』
膝丸「はぁ💨仕方がないな。望月…少し頼むぞ。」
ヒィヒィ〜〜ン
膝丸「おっ!良い返事だな。ニコ」
((膝丸さんって何か…。))
膝丸は、馬の背に乗り主の前まで来て手を差し伸べる。
膝丸「さぁ。」
『へっ?』
ヒィーン
『えっ?』
膝丸「ほら、こいつも言ってる事だ。遠慮せずに手を出せ。」
『手…ですか?はっ…はい。』
((なに?))
主は、訳が分からず膝丸の差し出す手を握ると、膝丸は主の手を握り引っ張り上げ、主を馬の背に乗せ自分の前に座らせる。
((えぇ〜〜〜!!!?王子様かい〜〜!!))
『あっあの!!重いかったんじゃ無いでござらんか?』
膝丸「ははははっ。何だ、それ…話し方が変だぞ。クスクス」
『あっ…重かったですよねって言おうと…(小声)』
膝丸「重くなど無い、心配するな。では、行くぞ!」
『えっ?』
膝丸「はっ!!」
ヒィヒィ〜ン
膝丸が、馬の手綱を持ち馬に声を掛けると馬は全速力で走り出す。
『ちょっちょっと待ってぇぇぇぇ〜!!』
膝丸「風が、気持ち良いだろ?」
『いやいやいやいや。気持ちいい所か速すぎ!!怖い!怖いからぁ〜!!』
膝丸「あっ?何だ?聞こえ無いぞ?」
『だから!速くて怖いって〜!!』
膝丸「何?気持ちいい?そうだろう、そうだろう!!望月は、本丸で一番機動力がある馬なんだぞ!!」
『いや、だから!そんな事は聞いてないからぁ〜!!怖いんだってぇ〜!!』
膝丸「よし!望月!!主が、喜んでいるから、あの丘まで全力疾走だ!!」
((えっ…主って…))
ヒィヒィ〜〜ン!!
『いや〜〜〜〜!!!』
膝丸と主を乗せた望月は、小高い丘まで全力疾走し辿り着く。
膝丸は、暫しの休憩を取る。
『…うっぷ…。』
膝丸「おいおい、大丈夫か?吐くなよ。」
『…誰のせいだと思ってるんですか…うっ…ぎもぢわるぃ…。』
膝丸「ははははっ。まぁー風が気持ち良かっただろ?」
『まぁ…確かに…風が髪を通り抜ける感じは気持ち良かったですが…うっぷ…』
膝丸「本当に気持ち悪そうだな…」
膝丸は、主の背中を擦る。
『私…あまり乗り物に強くなくて…直ぐに酔っちゃうんですよ。ありがとうございます…。』
膝丸「そうだったのか…悪かったな。無理をさせてたな…水は飲めるか?」
『あっ…はい。』
膝丸より竹筒を渡される。
ゴクゴクゴク
『はぁ💨少し良くなりました。』
膝丸「それは良かった。ニコ」
『でも、何で急に乗馬をさせてくれたんですか?』
膝丸「ん?あぁ…君が、人見知りとやらで上手く俺と話せそうに無かったから、少し気分が変わるかと思い走らせたのだ。…話せる様になっただろ?俺と。」
『あっ…本当です!人見知りしてません!すごいです!膝丸さん!!』
膝丸「ははははっ。喜んで貰えたのなら良かった。ニコ」
『あの…膝丸さんは…さっき、私の事を…』
膝丸「ん?あぁ、主って言った事か?」
『はい。膝丸さんは、私なんかが主になった事が嫌じゃ無かったんですか?』
膝丸「俺は、別に何でも良いんだよ。兄者と共に居られるのであればな。」
『兄者って…髭切さんの事ですか?』
膝丸「そうだ。俺と兄者は、刀だった頃は近くに互いを感じる事があったり、離ればなれになったりしていた。だが、今は人の体を与えられ、こうして話も出来て、触れるも出来る。再び…鉄に溶かされる所だった俺達を救ってくれたのは、お前だ。俺は感謝しているのだ、お前に。…主になってくれてありがとう。」
『あっあの…こんな私を認めてくれて、ありがとうございます!私、精一杯頑張ります!』
膝丸「そうか…ありがとうな。ニコ」
((…笑顔がかっこえぇ。////))
膝丸「…一期一振とは、仲良くしている用だが…奴の事は色々聞いているのか?」
『えっ?何の事ですか?』
膝丸「…いや、何でもない。」
『???』
膝丸(まだ…弟達の話はしていないのか…。主と仲良くしているから、もう既に弟達の…話をしていると思っていたが…そうか…まだ、だったか…。本人が、話さないのなら俺から話す事ではないな。)
膝丸「さて!今度は、ゆっくり本丸に戻るか。それなら気持ち悪くはならないだろ?」
『はい!大丈夫です。ニコ』
膝丸は馬の背に先に乗り、再び手を差し伸べる。
((また、これかぁ…この人、無自覚なのかな…。それとも根っからの王子様気質?ドキドキしちゃうじゃないのよぉ〜!))
膝丸「ほら、手を。」
『あっはい…お願いします。///』
主は膝丸の手を握り、馬の背に引っ張り上げて貰う。
膝丸「よし。じゃあ、今度は手綱を持ってみると良い。」
『えっ!いいですよ。』
膝丸「今度は、ゆっくり行くから怖くない。俺を信じろ。」
『…はい。』
主は手綱を握り、その上から膝丸が手を握る。
『えっ…///』
膝丸「行くぞ。望月!」
ヒィーン
((この人って…見ためもだけど、行動も王子様みたいで飾り気の無いエスコートが堪らなく良い!!!
てか…これは、何かの恋愛シュミレーションか!!))
馬はゆっくり歩き出し、本丸へと戻ると既に日が暮れていた。
膝丸「気持ち悪くなかったか?」
『はい。今度は、大丈夫でした!今日は、ありがとうございました。ニコ』
膝丸「礼は良い。では、これからも、この本丸を宜しくな!主。ニコ」
『はい!』
膝丸「俺は、望月を馬小屋に戻して来るから、先に中に入っていると良い。」
『はい。望月さん!今日は、ありがとうございました。今度は、ちゃんとお世話しに行きますね。』
ヒィヒィ〜〜ン
膝丸と馬は、馬小屋に向かう。主は、本丸の中に入って行く。
そんな二人を見ているモノが居た…
髭切「何で、あいつが…膝丸と一緒にいるんだよ…。」