みんながいたから今の私がここにいる…
□6 意地悪
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主が、本丸に来て1週間が経つ。主は、毎日悪夢を見続けていた。
審神者「あんたは、どう言うつもりでこんな事をしてるのよ!!」
((えっ?誰かが、言い争ってる?))
審神者「うるさい!!私のやる事に意見するんじゃ無いわよ!!」
和泉守「何だと!!あんたが、俺達を目覚めさせたからって、こんな好き勝手は許さねーぞ!!」
審神者「あぁ〜もぉ〜うざったいのよ、あんた!!そんなに私のやる事が気に入らないのなら、あんたなんていらない!あんたも堀川と同じように折ってやるわ!!」
和泉守「やれるもんなら、やってみろよ!!」
審神者「この役立たずがーー!!」
主は、夢から覚め、目を開ける。
『はぁーはぁー…私、この本丸に来て1週間になるけど…毎日、毎日悪夢を見てる…何で?…いつも声だけで、目が覚めると…必ず涙が流れてる…何なのこれ…。』
起き上がり着替えを済ませ、朝食を食べ終える。
『ご馳走さまでした。』
一期「お粗末様でした。」
『あの、そろそろ買い出しとか行った方が良いですか?食材は、まだ足りますか?』
一期「そうですね…そろそろ、色々な物が減って来てますので、後で買い出しに行って来ます。」
『じゃあ、お昼過ぎにでも一緒に買いに行きましょう!』
一期「私、一人でも大丈夫ですよ。」
『お手伝いしたいのです。ニコ』
一期「では、宜しくお願いします。ですが、何故昼過ぎなのですか?午前は何かやる事でもあるのですか?」
『はい。そろそろ、この本丸も少しづつ掃除をしないと折角キレイにして貰ったのに、また廃墟みたいになっちゃうと思ったので、今日はお風呂場の掃除を午前中にやっちゃいたいと考えていたのです。』
一期「では、私もお手伝いを…」
『いえいえ。一期さんは、お買い物の時にいっぱい疲れさせてしまいますので、休んでいて下さい!それに、お昼ご飯楽しみにしていますから。ニコ』
一期「分かりました。今、ある食材を全て使って美味しい物をお作り致しますね。ニコ」
『やる気が出てきました!じゃあ、私は行って来ます。』
一期「はい、宜しくお願いします。」
主は、大浴場へ行き掃除を始める。
『さてと、始めますか!…あれ?洗剤が無いしデッキブラシとかも無い…仕方ない…今日は、ボディーソープとタワシで床と浴槽を洗っておこう。後で、一期さんと買い物した時に掃除用具と洗剤諸々買い揃えないとだ。』
主は、ソープを床や浴槽に撒く。
ゴシゴシゴシゴシ…
『やっぱり、結構汚れてるな…。さっさと終わらせないとお昼になっちゃう…頑張るぞー!』
掃除をしていると、そこに一振の刀剣男士が現れる。
ガラガラガラ
鶴丸「ん?何だ…風呂の湯が空になってるじゃないか…。」
『あっ…』
((鶴丸さんだ…んっ!?…裸!///))
鶴丸「おっ?何だ…お前も居たのか…はぁ💨」
『あっ…えっと…すっすみません💦いっ今!掃除をしっ…していて…お湯を抜いてしまったのです。///』
((嫌だなぁ…目のやり場に困るよぉ〜。前の方は、タオルを巻いているから隠れてるけど…はぁ💨早く出て行ってくれないかな💦))
鶴丸「掃除?…何で、そんな事をお前がやるんだよ。」
『そっそれは…皆さんが…こっここで暮らすのに…かっ快適な環境を…作りたいから…です。』
鶴丸「快適ねぇ〜。まぁーいいや。掃除は、もう終わるんだろ?」
『えっ?あっ…はっはい…あと流すだけです…。』
鶴丸「じゃー流し終わったら、俺の背中を洗ってくれよ。ニヤリ」
『へぇっ!?』
((この人…何、言ってるの…。))
鶴丸「声…裏返ってるぜ。クスクス」
『あっ…はい…すっすみません。』
鶴丸「じゃあ、頼むな。ニコ」
『えっいや…頼むって…えっ?…何で…?』
鶴丸「ん?今、はい。って言っただろ?ニヤリ」
『あれは…違!』
鶴丸「いいから、さっさと床流せよ。俺も先に頭洗ってるからさ。」
『…。』
((何で、こんな事に…。本当に男の人の裸をこんな至近距離で見た事がないのに…。あぁ〜本当に困ったなぁ…どうしよう。何とか背中を流さなくて良くなるような言い訳を考えないと…!))
鶴丸は、自分の頭を洗う。主は、頭の中で色々と言い訳を考えながら床の泡を流していた。
鶴丸「おい!もう終わったか?」
『へっ!?…いっいえ…まだです💦』
鶴丸「まだって…もう、床の泡は流れてるだろ。あと流しきれて無いのは俺の回りだけだぜ。」
『…。』
((良い言い訳を考えられなかった…。))
鶴丸「ほれ!頼むな。」
鶴丸より泡だったタオルを渡され主は、タオルを持ち鶴丸の後ろに微動だにせず立ち尽くす。
『っ…』
((どうしたら良いの💦彼氏でも無い殿方の背中を私が洗うなんて…エッチだよ💦))
鶴丸「おい、まだか?」
『あっ…あぁ…』
鶴丸「たく…体が、冷えるだろ。さっさと洗ってくれ。」
『やっ…やっぱり…無理です!///』
鶴丸「はぁ?ちょっと待てって!!」
『えっ…』
ドタッ
鶴丸の催促は続き、恥ずかしさで堪らなくなった主は、その場から逃げ出そうとすると、鶴丸は逃げる主を捕まえ、そのまま二人は倒れ込み、鶴丸が押し倒した状態になってしまう。
鶴丸「おいおい。逃げるなよ…」
『痛たた…って…えぇっ!!?』
((何故に私は、鶴丸さんに押し倒されているのだぁーー!!これは、まずい…顔も近いし腰回りを覆っているタオルが落ちてしまったら…いや〜〜〜!!はっ早く、この体勢をどうにかしなくては💦))
鶴丸「大丈夫か?頭でも打ったのか?」
『あっあの!…どっどどどど…///』
鶴丸「ど?」
『どっ…どい…て…くっくくくく…。』
鶴丸「あぁ〜退いて欲しいのか。」
『はっはい!!』
鶴丸「ど〜しようかなぁ〜。ニヤリ」
『は?』
鶴丸「さっきからお前…顔を赤くしているな…」
『…。///』
鶴丸「期待してるのか?…いいぜ、俺が欲しいなら、くれてやるよ。」
『…ふぇっ?』
((はっ?…今、何て?))
鶴丸「ん?いいって言ってるのに
何もして来ないのか?あぁ〜お前、自分からは何もしない系の奴か…仕方ないな。じゃあ、俺がしてやるよ。ニヤリ」
鶴丸は、主の着ている袴の結び紐を解く。
『なっ…!!』
((何っ何っ何っ何っ!!?この人、何で私の袴の紐を解いてるの💦))
鶴丸「楽しもうぜ…。クスクス」
『やっ…止めて下さい!!!』
ゴーン…
主は、両手で胸元を隠すと同時に上半身を勢い良く起こす。すると鶴丸の額と自分の額がいい音を出してぶつかる。
鶴丸「いってぇ〜〜!おい、急に何なんだよ!!」
『…酷いです。こんな…事…しなくたって…良いじゃないですか…。ヒック』
鶴丸「はっ?何で、お前泣いてるんだよ。」
『なっ泣きますよ!!…こんな…ひっ酷い事を…されたら…。』
鶴丸「ん?これは、酷い事なのか?」
『えっ?』
鶴丸「…人間の女は、皆こう言う事をされると喜ぶんだろ?」
『はい…?』
((この人は、何を言っているのだろうか…?))
鶴丸「違うのか?」
『あの…何で、こう言う事をすると…女性が喜ぶと思ったんですか?』
鶴丸「う〜ん…そのぉ…前の主がなぁ…こう言う事を俺達に…強要してたんだよ。」
『えっ…』
鶴丸「だから…人間の女達は皆、男にこうされる事を喜ぶんだと思っていたんだが…。」
((前の主さん…女性の方って話てた。…皆が無理難題を強要させられてたって…この事なの?))
『あっ…初めて会った時に、もう女の審神者は、ごめんだって言ってたのって…。』
鶴丸「…。」
『…前の主さんに、こんな事を無理やり…させられてたんですか?』
鶴丸「…まぁーな。」
『そっか…』
((その人を、愛してるとか、そう言うのじゃなく…無理にこんな事を強要されていれば…人間を…女の審神者を嫌いにもなるよ。))
鶴丸「…悪かったな。」
『えっ?』
鶴丸「俺は、前審神者にやれと言われた事が人の子にとって喜びと感じる事だと思っていたから…お前には、嫌な思いをさせたな…すまない。」
『…。』
((真剣な顔だ…心から謝ってくれてる。))
鶴丸「…許してくれるか?」
『あっ…はい。』
鶴丸「そっか…良かった。涙も止まったみたいだな。」
『あっ!ごめんなさい💦私ったら泣いたりなんかして…。』
鶴丸「怖かったんだろ。怖がらせる様な事をした俺が悪い。すまなかった。」
『あの…謝らないで下さい。』
鶴丸「いや。俺は、許されざる行いをしたんだ…ちゃんと謝らせて欲しい。」
『いえ…謝るのは私達、人だと思います…ごめんなさい。』
鶴丸「何で、お前が謝るんだよ…」
『だって…前の主さんが、あなた方、神様に嫌な事を強要した…だから鶴丸さんも、もう女の審神者はごめんだって言ったのは…心が傷ついたからですよね。私達、人間が神様達を傷つけてしまった。…だから、謝らせて貰いたいんです。』
鶴丸「いいんだ。俺も初めて会った時に、お前には嫌な物言いをした。この前の手料理の時も、お前が嫌な思いをする様な事を小狐丸に言い放った…。俺も、すまなかった。」
『そんな!!神様に謝って貰っては、罰が当たります💦』
鶴丸「いや、罰なんて当てやしないよ。ニコ」
((あっ…この人のこんな笑顔…初めて見た…優しい顔で笑うんだな…))
『あの…私と、お友達になってくれませんか!!』
鶴丸「はっ?友達だと?」
『あっ…はい…すみません。私、なんかが神様と友達になんてなれやしないですよね…。ごめんなさい。』
鶴丸「…ぷっ」
『えっ?』
鶴丸「お前…。クックックッ」
『ん?』
鶴丸「…面白いな。クスクス」
『…。』
鶴丸「いいぜ!お前の友達になってやるよ。ニコ」
『本当ですか!!』
鶴丸「あぁ、これから宜しくな、主!」
『えっ!主だなんて…』
鶴丸「俺とお前は、形上では主従の関係なんだから主って呼ぶのは当前だろ。」
『でも…何か…お友達なのに主って呼ばれるのは…寂しいです。』
鶴丸「…じゃあ、何て呼べば良いんだ?」
『えっと…じゃー』
鶴丸「待った!」
『えっ?』
鶴丸「真名を口にするなよ。」
『あっ…』
((そうだ…一期さんに言っちゃダメって言われてたんだ…。でも、友達に名前を教えられないなんて…何だか、それも寂しい…。))
鶴丸「ふぅ…分かったよ。主って呼ばれるのが嫌なら…主とは呼ばない様にする。それでいいか?」
『はい!ニコ』
鶴丸「よしよし、良い笑顔だ。じゃあ、そろそろ立つか。」
『あっ…』
鶴丸「いい加減膝が痛いぜ。」
『そっそうですね…///』
鶴丸「…お前は、直ぐに赤くなるな。ウブなのか?男の裸なんて、お前くらいの歳の女なら見慣れてるんじゃないのか?」
『…。』
((見慣れてませんからぁ〜!))
鶴丸「黙りかよ。たく…ほら、手。」
『あっ…ありがとう…うわぁ!!』
鶴丸は、先に立ち上がり主に手を差し伸べ、その手を掴み立たせて貰う。しかし、床の泡が流しきれていない為に主は、足を滑らせ鶴丸の胸に飛び込んでしまう。
鶴丸「おっと…って、お前って大胆だな。ニヤリ」
『これは!違っ!じっ事故!事故だから!!///』
鶴丸「まぁ〜た、顔赤くなってるぜ。クスクス」
『もう、からかわないで下さい!』
鶴丸「はいはい。クスクス」
パサッ
鶴丸「あっ…」
『じゃあ、私は行きま…』
鶴丸「待て!!」
『えっ?』
鶴丸は、自分の胸の中から去ろうとする主を抱き締める。
鶴丸「あっ…えっと…ちょっと待ってくれ💦」
『どっどうかしましたか…?』
鶴丸「その…まずい事になった。」
『えっ何?』
鶴丸「…俺の腰に巻いてたタオルが…床に落ちた。」
『…!?////』
鶴丸「まぁーそう言う事だから…見たくないのなら、このまま上を向いて下を見ずに俺から離れて浴室を出た方が良いぜ。」
『あっ…はい、分かりました。では…失礼します。///』
鶴丸「あぁ…じゃーな。///」
主は、鶴丸に言われた通りにして浴室から出て行く。
((私に、この本丸での、お友達第1号さんが出来ました!!ちょっと意地悪だけど優しい人!クスクス))