みんながいたから今の私がここにいる…

□5 前途多難な本丸
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((さてと…本丸に来て初の料理です。頑張りましょう!!))


一期「何を作るのですか?」

『えっと…材料は…あまり無いのですね。』

一期「すみません。皆、あまり食事を沢山食べる方々ではないので、食料は畑で採れる物を中心に作っていたものでして…。今から買いに行って来ますね。」

『いえ…大丈夫です。ある物で作りますから。』

一期「そうですか。では、私は何をお手伝い致しましょうか。」

『そうですね…お味噌汁を作って貰えますか。』

一期「畏まりました。」



一期と主は、二人で夕餉の支度をする。



((できた!!))


一期「美味しそうですね。ニコ」

『皆さんが…喜んでくれたら良いのですが…。』

一期「きっと喜びますよ。ニコ」

『…一期さんは、とても優しいのですね。』

一期「えっ?」

『こんな得たいの知れない…私なんかに親切にしてくれて、支えてくれて…とても感謝しています!ありがとうございます。ニコ』

一期「…あなたが、ここの主になってくれたから、今の我らがここに居られるのです。感謝しなくてはいけないのは此方の方ですよ。ニコ」


((…この笑顔ヤバイ。ステキすぎて鼻血が出そう…))



主は、鼻を摘まむ。



一期「どうしたのですか?急に鼻など摘まんだりして…。」

『あぁ…いいんです。ちょっと色々と考え過ぎただけですから…。』

一期「そう…ですか?」



食堂に鶴丸と小狐丸が入って来る。



鶴丸「お〜い、一期。何か食べる物はあるのか〜。」

一期「お二方、夕餉の支度は、出来ていますよ。召し上がられますか?」

小狐丸「いつもすみません。頂きます。」

一期「はい。今、お箸と取り皿を用意致しますね。」

鶴丸「あぁ、悪いな。今日の夕餉は、いなり寿司に味噌汁か。少食な俺達には調度良いな。」

一期「お二人共、どうぞ。」

小狐丸「ありがとうございます。では、頂きます。」

鶴丸「頂くぜ。」



パクッ
モグモグモグ…



((美味しくなかったかな…。ドキドキ))



小狐丸「…私は、この様な物を食したのは初めてです!この米を包んでいる物は、なんと言うのですか!!」

一期「それは…油揚げですが。」

小狐丸「油揚げ…。これは、どの様にしたら作れるのです!!」



小狐丸は、目を輝かせて一期に聞く。



一期「小狐丸殿。油揚げの作り方については、また後日お話しましょう。その、いなり寿司の味などの感想は如何ですか?」

小狐丸「そうですね。中の米も椎茸や人参等と一緒に炊かれていて、とても美味だと思います。」

一期「そうですか。鶴丸殿は、如何でしたか?」

鶴丸「俺の食べたのは、米に山葵が混ぜ込まれているみたいだな。少し鼻にツンとしたぜ!驚きだな!」

一期「…驚きは、今は良いのですが…味の方は…。」

鶴丸「あぁ、味か…そうだな。旨いな。君も、こんな旨い物が、たまには作れたんだな!」

一期「…たまにはって…いつもは、美味しくなかったのですか?」

鶴丸「旨くないと言うか…不味くも旨くもないと言った感じたな。」

『…一期さん?大丈夫ですか?』

一期「はい、平気です。私も、まだまだですね。主の手料理には敵いません。ニコ」

鶴丸「はっ?君…今、何て言った?」

一期「えっ?主の手料理には敵いと申したのですよ。ニコ」

小狐丸「…まさか…この料理は…」

一期「はい。主が、皆の為に心を込めて作った物です。」

鶴丸「…。」

小狐丸「なんと…言う事を…」

『あっあの…ごっごめんな…さい…よっ余計な事を…しました…。』



主は、二人の反応を見て直ぐに謝る。



小狐丸「…そっそうですね…。余計な事は、しないで貰いたい…です…。っが、この油揚げは、とても美味しゅうございました!」


((あっ…良かったぁ…。))


小狐丸「…今度、この油揚げの作り方を私にお教え下され。///」

『えっ…』

小狐丸「嫌なのですか?」

『…いっいえ…そうではなく…。えっと…こっ今度…いっ一緒に…作りましょう。ニコ』

小狐丸「はい!…では、なく…そうですね。あなたが、作っている所を見させて貰いますよ。///」



((ツンデレだぁ!!こんなに大きくてイケメンな人なのに…可愛い!!))



鶴丸「おいおい。…三条の刀は、芯が通って無いのか?」

小狐丸「なんです?鶴丸殿。」

鶴丸「小狐丸。あんたも女の主は、反対なんだろ?だったら食い物で釣られるなよ。」

小狐丸「私は、別に食べ物で釣られてなどいません!」

鶴丸「そうかい?俺には、餌を与えられている子犬…」

『あっあの…わっ私、でっデザートを…作ってみたの…ですが…もっもし良かったら…たっ食べて…貰えません…か?』



主は、大声を出して鶴丸の言葉を遮る。



鶴丸「おい。急に大声を出すなよ。」

『あっ…すっすみま…せん。』

小狐丸「…。」

『…あっあの…いっ如何…ですか?』

鶴丸「俺は、もうこのいなり寿司だけで良い。ごちそうさん。」



鶴丸は、いなり寿司を一つ口に咥え食堂を出て行く。



『あっあの…小狐丸さんは…』

小狐丸「結構です…失礼致します。」



小狐丸も食堂より出て行く。



『…。』

一期「お気になさらないで下さい。」

『あの二人は、仲が悪い…なんて事は、無いですよね。』

一期「まぁーそうですね。仲は、良くも悪くも無いですね。お互いに感心が無いと言った所でしょうか。」

『そうですか…。』

一期「お互い気が立っていたのでしょう。気にしないで、私達も食べましょう。」

『…はい。』



食事中、主はこっそりいなり寿司を数個お皿に取り分ける。
食事が終わり、主は小狐丸の部屋の前に来ていた。



『まだ、起きてるかな…』



コンコンコン



小狐丸「こんな時間に誰です?」

『あっ…あの…わっ私です。』

小狐丸「はっ…?」



主は、部屋の前で返答を待っていると襖が開き小狐丸が顔を出す。



小狐丸「なんですか?もう、夜遅いのですが…」

『あっえっ…えっと…あの…いっいなり寿司を…もっ持って来ました…。あまり…めっ召し上がられて…いなかったよう…でしたので…』

小狐丸「…その様な気遣いして頂か無くて結構です。」

『すっすみま…せん。よっ余計な…お世話でしたね…。っですが!折角、持って来たので良かったら食べて下さい!!…ここに置いておきます…。おっおやすみなさい!!』



主は、そう言い放つと急いで部屋へと戻って行く。



小狐丸「あっ!ちょっと…行ってしまわれましたか…。はぁ💨お優しい方なのですね。私が、この油揚げを気に入った事を気にかけて持って来て下さった様ですね…。私は、あの方を女性と言うだけで、前主と同じだと偏見の目で見過ぎていたのかもしれませんね…。避けるばかりではなく、歩み寄る事も大事なのかもしれません…。」


小狐丸は床に置かれた、いなり寿司を部屋で全て食す。
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