〈二部〉

□5 夢の中で…
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『さてと…今日は、何をしようかなぁ〜♪』

歌仙「全く…君は、いつも、いつも仕事を僕に任せて遊んでばかりだ…どう言うつもりだい💢」

『えっ?歌仙が、やった方が早いじゃない。私が、やると間違えてばかりでしょう?』

歌仙「だから、やらないのかい?」

『う〜ん、ごめんね。テヘ』

歌仙「全く反省していないじゃないかぁー!!」

小狐丸「まぁーまぁー歌仙殿…ぬしさまは、マイペースなお方なのですから、その様にイライラなさらないで…」

歌仙「小狐丸!君が、近侍の時に甘やかすからこんな子になったんじゃないか!!」

『まぁーまぁー怒らないで。私の世界では、怒ってばかりいる人は、禿げる。何て言い伝えがあるんだよ〜。だから、お茶でも飲んで気持ちを落ち着かせよ〜。ねっ!』

歌仙「誰のせいでイライラしていると思っているんだい!」

『はい。お茶をどうぞ。』

歌仙「…頂きます。ゴクリ」

小狐丸「ぬしさま、小狐にも淹れて下され。ニコ」

『いいよ、どうぞ!』

小狐丸「頂きます。はぁ💨ぬしさまの淹れるお茶は、特別美味ですね〜歌仙殿。」

歌仙「あぁ…。」

『良かったぁ〜。ニコ』

歌仙「…どうも、君達のペースにいつも飲まれている気がするよ…。」

小狐丸「まぁーゆっくりやって行きましょう、歌仙殿。」

歌仙「ははは、そうだね。ニコ」

『でも、歌仙のお陰で仕事が色々と片付いてるから感謝はしてるからね!いつも、ありがとうございます!ニコ』

歌仙「たく…仕方がない子だね。ニコ」



コンコンコン



三日月「主、居るかな?」

『宗近?居ますよ!どうぞ。』

三日月「失礼するぞ。仕事中かと思っていたが…三人で茶を飲んでいたのか。」

歌仙「いや…これは、一休みだ…。」

三日月「そうか、一休みなら主を少し借りても良いか?」

『私に…用なの?』

三日月「あぁ、散歩でもしたい気分なのだが…如何かな?」

『私は、良いけど…』



主は、歌仙を見る。



歌仙「…僕を見てどうするんだい?休憩中なのだから、君の好きにすれば良いだろ?」

『じゃあ、少し行って来るね!』

小狐丸「ぬしさまが、行かれるのでしたら私も…」

三日月「あぁ…小狐は、誘っておらぬのでな来なくて良いぞ。」

小狐丸「その様にはっきりと断られると何やら清々しいですな。」

『じゃあ、小狐丸。また今度ね!』

小狐丸「はい、ぬしさま。行ってらっしゃいませ。ニコ」

三日月「では、行くか。」

『はーい。』



三日月と主は、近侍部屋を出て行き、本丸の裏山の木まで2人は歩いて行く。



三日月「主が、この本丸に来て随分と経つかな?」

『そうだね。この桜の木が花を散らして青々とした葉をつけてるもんね。』

三日月「…そうだな。」

『ここに来た時は、どうなるかと思ったけど…皆とも仲良くなれたし仲直りも出来たから良かったよ。ニコ』

三日月「…俺は、気に入らんがな。」

『えっ?』



主の前を歩いていた三日月は振り返り主を見つめる。



三日月「俺は、其方が他のモノと仲良くしたり、親しく話をする姿を見るのがとても嫌だ。」

『ごめん。嫌な思いをさせてたんだ…』

三日月「俺はな、其方に謝って貰いたくてこんな話をしているのでは無い。」

『…。』

三日月「俺は…其方の真名が知りたい。」

『名前なんか別に知らなくったていいじゃない…』

三日月「其方の真名を知り、お主を俺の中に閉じ込めたいのだ。」

『それって…神隠し。』

三日月「そうだ。何故、俺がそうしたいのか分かるか?」



三日月は、妖しい顔をして主との距離を縮める。



『えっと…///』

三日月「誰の目にも映さず、誰にも触れさせぬようにしたいのだ。」



三日月は、主の前に立ち主の腰に腕を回す。



『ちょっと…///』

三日月「俺はな、其方を心から愛しているからだ。」



主の顎に手を添え上を向かせる。



『待って////』

三日月「待てぬよ。」



三日月の唇と主の唇が触れるか触れないかの距離で三日月の動きが止まる。



三日月「目を開けろ。」



三日月の問い掛けに主は、瞑っていた目を開け三日月と至近距離で目が合う。



『えっ…///』

三日月「主は…俺の事をどう思っているのだ?」

『どうって…言われても…💦』

三日月「考えた事が無いのか?」

『うん…』

三日月「そうか…では、これで俺の事をどう思っているのかちゃんと考えるのだぞ。」



三日月は、言い終えると主にキスをする。



『…んぅ…』

三日月「…んっん…。」

『だ…ダメーーーーー!!!!』



寝ていた主は、大声を出して目を覚ます。



『はぁーはぁーはぁーはぁ…。夢…だったの…』



無意識に自分の唇を触る。



『私…宗近と…キスする夢…見て…////』

((何で、あんな夢を…いやいや、待ってよ。そもそも何で三日月宗近!!イケメンだけど私に言ってくる事って基本セクハラだよ!!どうせ、キスする夢見るならもっと良い相手いたでしょうよ!一期一振とか鶴丸国永とか太郎太刀とかさぁー!真面目な刀!何故に三日月宗近!!))

『私の夢…わけ分からん。…何でなんだ?』



朝食の時間



((…三日月宗近。))



主は、三日月をじーっと見ながら食事をしていた。



鶴丸「君…口から米粒がポロポロとこぼれているぞ。大丈夫か?」

『へぇ?』

鶴丸「…体調でも悪いのか?」

『あっ全然元気だよ!ごめん。行儀悪かったね…ちょっと考え事をしていただけだから💦』

鶴丸「そうか?元気なら良いんだが…」

『うん。平気、平気!ニコ』



畑当番



主は、縁側に座り畑当番の三日月を見つめる。



((…宗近とキスかぁ…))


一期「主、本日の遠征の事なのですが…」


((本当に何で宗近なんだろう…))


一期「…主、聞いていますか?」


一期は、主の肩を軽く叩く。



『えっ!?何?』

一期「あっ…えっと、遠征の報告をしに来たのですが…」

『あぁ…そうだったね。』

一期「大丈夫ですか?」

『えっ💦何が?』

一期「朝、鶴丸殿が気にされていましたが、やはり体調が悪いのでは…」

『いや、全然平気なの!考え事をしていただけだから。本当、ごめんね💦報告だよね!お疲れさまでした。ちゃんと聞きます!』

一期「はい…では…」



昼食の時間



((…何かの本で夢には、深層心理が現れるって言う話が書いてあった気がする…じゃあ、私は自分でも気づかない内に三日月の事を…))

江雪「…大丈夫ですか?」

『…はい。』



主は、返事をしながらも食事に手をつけずにじっと一点を見ていた。



宗三「…今日は、雨ですね。」

『…はい。』



外は、晴天。
江雪と宗三は、互いに目を合わせた後、主を見る。



江雪「主、食事を摂りましょう。」

『はい…』



宗三は、主の肩に触れ体を揺らす。



『あっ何でしょうか!』

宗三「食事の時間ですよ。食べられますか?」

『あぁ…はい、頂きます。』



自室



『はぁ💨ダメだ。夢のせいで宗近の事ばかり考えちゃう…。もう、やだやだ!お風呂にでも入って来よう!』



入浴の支度をして廊下を歩いていると前から三日月が歩いて来る。



((はっ!!今、一番会いたくない奴が前から…どうしよう💦))



主は、キョロキョロと辺りを見回す。



((か、隠れる場所は…💦))


三日月「主。」

『!?は…はい…』



三日月は、主の存在に気づき声を掛け主の前まで歩いて来る。



三日月「大事無いか?皆が、今日の主は何か変だと話ていたが…」

『大丈夫です…///』



主は、無意識に三日月の唇をガン見していた。



三日月「そうか?何でも無いのなら良いのだが…」

『全然…平気…。』

三日月「ん?俺の口に何かついているのか?」

『えっ💦』

三日月「いやなに。先程から俺の口元をずっと見ているのでな…何かついて…」

『何もついていません💦では、私はお風呂に入りますので失礼致します!』

三日月「あっ!主…」



主は、早々と風呂場に行ってしまう。



バタン



『はぁーはぁーはぁー////』


((…私、宗近が…好きなの?無意識に唇を見てしまった。))


『もう〜あんな夢なんか見たせいだよ!!!』


((なんなのよ、もう…))
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