〈二部〉

□4 ときめかせ作戦!!Part2
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5番手 粟田口兄弟




乱「はぁ💨どうしよう…」

平野「どうしましょうか…」

乱「みんな、色々と主さんをドキドキさせてるよね。…いち兄は、ドキドキさせるって言うか…」

平野「逆に、主にときめかれていますからね。」

乱「だよね…。はぁ💨どうしようかぁ…」

三日月「二人共、どうしたのだ?先程からため息ばかりしているな。」

乱「三日月さん!」

平野「あの…実は…。」

乱「えっ!言っちゃうの!?」

平野「ダメでしょうか?」

乱「う〜ん…」

三日月「あぁ〜話は少しばかり聞いていたからな。大体は、分かっている。ニコ」

乱「なんだ…バレてたのか…。」

平野「では、三日月様ならどの様にすれば、主にドキドキして頂けると思いますか?」

三日月「うむ。俺に任せてくれぬか?主をドキドキさせれば良いのであろう?」

乱「そうだけど…三日月さんに!じゃ無いよ。いち兄に!だからね!」

三日月「あい、分かった。はっはっはっ。たまには、本気になるか…」



三日月は、笑いながら2人の前から去って行く。



乱「大丈夫かな…」

平野「三日月さんにお任せ致しましょう!」

乱「うん…」



三日月は、主と一期を茶室に招き茶会を開く。



『宗近からお茶に誘われるなんて思わなかったよ〜。ニコ』

一期「はい。三日月殿は、いつも世話をして貰ってる側ですからね。」

三日月「たまには、俺も世話と言うものをしたくなったまでだ。ニコ」



三日月は、茶を立て主の前に出す。



三日月「先ずは、主からだ。」

『頂きます。ニコ』

一期「あの抹茶ですので苦いかと…」

『にっ…がぁ…』

一期「…」

三日月「はっはっはっ。抹茶だからな。では、これと一緒に飲むと良い。」

『わぁ〜可愛いお菓子だね!花の形してる!』

三日月「甘いからな。これで、少しは苦いのも平気になるだろう。」

『うん、確かに!甘くて美味しい!』

三日月「良かったな。では、一期一振。どうぞ…」



一期の前に茶を出す。



一期「お点前、頂戴致します。」



主は、一期の茶飲みの作法を目にして見惚れていた。



『わぁ〜キレイ…』

一期「えっ…///」

『私、普通に作法とか気にしないで飲んじゃった。恥ずかしい…』

三日月「主は、それで良いのだよ。」

『でも…一期のお茶の飲み方、とてもキレイ。見習いたいな…。』



一期を見つめる主。



一期「うぅ…////
あの!あまり…見ないで下され…。」



一期は、思わず抹茶を飲みきらずに茶碗を口から離す。



((あっ…口から抹茶が…))


三日月「ん?はっはっはっ。一期よ、慌てるな。口の端から垂れているぞ…」



三日月は、一期に近づき顎の下に手を添え上を向かせ指で口元に垂れる抹茶を拭う。



『えっ…///』

一期「なっ何をなさるのです!!」

三日月「ん?茶を拭ってやっただけだが?何か、まずかったかな?」

一期「この様な事…主の前で…///」

三日月「何だ?主が居たらまずいのか?」

一期「まずいも何も!!」

三日月「ジジイに分かるように説明してくれ。一期よ…」



三日月は、一期の耳元で囁く。



((めっ目のやり場が…////))


一期「ちょっ!何なのですか!?先程から近すぎます!!」

三日月「嫌…なのか?」



一期の顔を覗き込む三日月。



((やばい…リアルなBLだわ…///
あぁ〜尊い。))


一期「嫌に決まっています!私は、男の体なのですよ!!三日月殿は、そっちのご趣味があったのですか!?」

三日月「そうだな…今は、そう考えて貰っても善いぞ。」



三日月は、一期の腰に片手を回す。
主は、両手で顔を覆い指の隙間から二人の行動を見ていた。



『もう〜限界!!最後まで見ていたいけど胸が張り裂けそうな程にドキドキしているので、私!失礼します!!』



その場を去ろうとする主の手を一期が掴む。



一期「主!誤解です💦私を置いて行かないで下さい!!」

『でも💦2人は、良い所だから…邪魔者は…』

一期「邪魔じゃないですから💦私を助けて下さい!!」

『えっえぇ〜!助けるって…』

三日月「はっはっはっ。主よ、ドキドキとやらはしたのか?」

『えっ…はい。とてもドキドキしました。』

三日月「よし。なら、作戦は成功だな。」

『えっ?どう言う事?』



主は、一期を見つめる。



一期「私も何が何やら…」

三日月「いやなに。粟田口の短刀達がな、主をドキドキさせるにはどのようにしたら良いのかと悩んでおったのでな。俺は、協力したまでよ。」

一期「何故、その様な事を…」

三日月「そこまでは、俺にも分からんよ。」

『…でも、宗近は良く私が今みたいな事でドキドキするって分かったね。』

三日月「あぁ〜それはな、前に主の部屋に入った時に男同士が交わる書物が何冊かあってな。好きなのだと思ったまでよ。」

『!?み、見たの…/////』

一期「…主は、その様なものがお好きなのですか…。」

『えっと…好きと言いますか…興味があると言いますかぁ…💦』



三日月と一期は、じっと主を見る。



『あぁ〜もう、何よ!別に良いでしょ!BLに興味があったって良いじゃない!私は、女なんだから未知の世界に憧れただけよ!!』

一期「あっ主が、ご所望なのでありましたら…私…頑張ります。」

『えっ…?』

一期「お相手は…三日月殿で宜いのですか?」

『なに…?』

一期「三日月殿…私は、その書物を見て無いので、どの様にすれば良いのか分かりかねますが…宜しくお願い致します。」



一期は、三日月の方を向き正座をし頭を下げる。



三日月「いや…俺は…遠慮する。男に興味は無い。」



後退りをする三日月にグイグイと近づく一期。



一期「私もですが…主の為です。」

三日月「主よ!どうにかしてくれ💦」



三日月は、主の後ろに隠れる。



『えっ…』

一期「主の背に隠れるとは…///
早く此方に来て下さい!」

三日月「主!」

『えっと…一期。もう、いいよ。充分、楽しんだから、ありがとうね。』

一期「ですが…」

『いいから、いいから。』

一期「主が、良いと言うのであれば…」

三日月「はぁ💨」

『はぁ💨でも…良いもの見れたなぁ〜』

一期「…」

三日月「…」

『あっ!そうだ…二人共、この事は他言無用だからね。』

一期「…分かりました。」

三日月「あい、分かった。」

『じゃあ、抹茶ご馳走さまでした!』



主は、茶室から出て行く。



一期「三日月殿…本当にその様な書物が…」

三日月「あぁ、主の世界では普通なのかもしれぬな…」

一期「…恐ろしいですね。」

三日月「かもしれぬな…」



大広間にて主は、巴形薙刀に呼び出されていた。



乱「主さん!!」

『なに?』

蛍丸「今日は、色々あったでしょう!」

『うん…』

堀川「じゃあ、今日の出来事で一番ドキドキしたのは?」

『はっ!あれってもしかして…』

謙信「ぼくのきょうだいだよね!」

太鼓鐘「いや、今日の亀甲は頑張ったぜ!」

『…』

巴形「主…気を悪くしないでくれ。皆は、主にこの世界に長く留まって欲しいが為に自分達の兄弟と仲良くなって欲しくてやった事なのだ…。」

『そっかぁ…道理でときめく展開だらけだったわけだ〜。おかしいと思ったんだぁ…』

巴形「勘違いしてはいけないぞ。主よ。このモノ達の兄弟は、この様な事を知らされていない。今日あった出来事は、謀では無いからな。きっかけを作ったまでだ。」

『…そうなんだ。』

巴形「それで、勝敗は…」

『みんな!だよ。ニコ』

乱「えぇ〜!」

蛍丸「それじゃー勝負にならないじゃん!」

『だって、皆のお兄さんにドキドキしたんだし…。ときめきに勝敗は、ありません!』

太鼓鐘「何だよ〜」

『でも、今日はとても楽しかったよ!皆、ありがとう。ニコ』

巴形「…主が、楽しかったのであれば良いのではないだろうか。」

乱「そうだね…」

堀川「ふふふ。僕達も兄弟にばかり頼らないで自分でも頑張らなくちゃだね!」

蛍丸「うん!主に好きになって貰えるようにね!ニコ」

『もう〜皆、大好きだよ!』



主は、皆を抱き締める。



太鼓鐘「この人数を抱き締めるとか…きついぞ、主…」

『そうだね。でも、良いじゃない!皆、頑張ったんだからさぁ〜。』

巴形「…俺は、その中に入っていないのか。」

『巴は、大きいから良いでしょう。』

巴形「…」

『さて!皆で晩御飯にしよう〜』

皆「は〜い!」
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