〈二部〉
□3 主ときめかせ作戦!!
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3番手 国広兄弟
書庫の掃除中
堀川(兄弟に主さんといい感じになるように頑張って!…なんて言ったらガチガチに緊張しちゃって話すら出来ないんだろうな…。)
堀川「ここは、僕が一肌脱ぐしか無いかな。」
山姥切「ん?何か言ったか?」
堀川「えへへ。何でも無いよ、兄弟。」
山姥切「そうか…」
堀川(先ずは、主さんと兄弟を二人きりにしてあげなきゃだよね…きっかけを作りつつこの書庫から去る…それで行こう!)
堀川「主さん!」
『何?』
堀川「いつも僕達のお手伝いをしてくれて、ありがとうございます!ニコ」
『どういたしまして。ニコ』
堀川「主さん。喉は渇かない?」
『う〜ん、少し渇いたかも。』
堀川「じゃあ、僕、お茶を淹れて来るよ!主さん、この本は日干しが済んでいるから本棚の一番上に片付けてくれますか?」
『了〜解〜!』
堀川「じゃあ、行って来るね!」
『はーい。』
主は、書庫で本の整理の手伝いをしていた。
堀川にお願いをされたので脚立を持って日干しした本を棚の一番上に片付けていた。
『1個づつ棚に仕舞っていたら手間だな…何冊か持って来よう。…よいっしょっと!』
脚立に乗り本を仕舞う。山姥切は、日干しした本を床に置くと主に声を掛ける。
山姥切「主…一度にそんなに持って…危ないぞ。」
『平気、平気!!』
主は、両手に分厚い本を持ち脚立を昇る。
山姥切は、心配そうな顔で主を見る。
山姥切「高い所に仕舞うのなら俺が…」
『あっ…やば💦』
山姥切「主!?」
主は、脚立より降りる時に足を踏み違え脚立の上段より落ちる。
ドタドタドタ…
『ゴホッ…ゴホッ…いっ痛くない。』
山姥切「ゴホッゴホッ!大丈夫か?」
『えっ…///』
主は、目を開けると目の前には山姥切の顔があった。体は、山姥切に抱き留められ山姥切の足の間に座って居た。
『あの…ごめん…///痛かったよね?』
山姥切「いや、これくらい平気だ…///」
『そっか…あの…///』
山姥切「なんだ…///」
『えっと…強く抱き締め過ぎじゃ…///』
山姥切「あぁ…すまない。つい、抱き心地が良くて…///」
『抱き心地って…///』
((何か、まんばちゃん…極になってから自分に自信がついたからなのか…色々と発言が大胆なんだよな…。いちいち照れちゃうよ///))
山姥切「今、離れ…」
ゴン
『あっ…うっぅ…』
本棚上部より分厚い本が主の頭にヒット!!主は、そのまま気を失い山姥切の胸に体を預ける。
山姥切「主!?おい、大丈夫か!しっかりしろ!!」
『…すーすー』
山姥切「…寝たのか?」
堀川「何はともあれ、結果オーライだね!」
山姥切「兄弟!いっ何時から…」
堀川「クスクス。兄弟、主さんも日頃の疲れが溜まっているんだから少し寝かせてあげなよ。動いちゃダメだからね!」
山姥切「…。」
(仕方がない。暫くこのままだな…。しかし…この体勢では…///)
((…暖かい。))
『へっ…これは、どういった状況でしょうか…💦』
目覚めた主は、山姥切の胸に寄り掛かり、山姥切の腕が主の体を包むようにして回されていた。
『ま、まんばちゃん…起きて?』
山姥切「んっ…なんだ…起きたのか?」
『あの…状況が読めてないんだけど…』
山姥切「あぁ、主の頭に本が落ちて気を失い、そのまま寝たんだ。俺の腕の中でな。動かさない方が良いと思いこのままにしていたのだが…俺も一緒に寝てしまったんだな。」
『そうなんだ。…随分と冷静に説明してくれるんだね…この状況で…///』
山姥切「そ、そうだな…///」
『今、気づいた?私を抱きしめてる事に。』
山姥切「…すまない。」
『でも、暖かかったよ。ありがとう!じゃあ、書庫の片付けを終わらせちゃおう!』
山姥切「そうだな。ニコ」
2人は、日干しした本を片付ける。
((今日は、何の日なのかな…。色々な刀剣達とドキドキなシチュエーションがあったんだけど…。))
4番手 来兄弟
愛染「なぁ〜国行は、主さんの事をどう思ってるんだよ!」
明石「何ですの?急に…」
蛍丸「いいから答えて!」
明石「おぉ〜怖!蛍丸。可愛い顔が、台無しや。笑顔の方が、ええどすなぁ〜。」
蛍丸「国行!」
明石「はぁ💨そないな事、言われましても…自分には、良く分からんのやぁ。嫌いかって言うたら…ちゃいますし。好きかって言うたら…ん〜どないなんでしょうかねぇ…」
愛染「はっきりしないなぁ…」
蛍丸「じゃあ、さぁ!国行のタイプってどんな子なの?」
明石「そないな事どうでもええやないのぉ…。あぁ〜面倒くさっ…」
蛍丸「いいから考えてみてよ!」
明石「はぁ💨今日は、何ですの?二人して…そうですな…自分に頑張れとかやる気出せとか言わない…ありのままの自分を受け入れてくれる子でっしゃろうか…」
蛍丸「それって…」
愛染「主さんじゃないか!」
明石「えっ…」
蛍丸「そうだよ!だって主さんは、国行に一度だってやる気出せ!とかちゃんとして!って言った事無いじゃない!でしょ?」
明石「まぁー確かに…」
愛染「それに、主さんは国行が対立した時だって無理やり内番をやらせたりしなかったし出陣の時だって無理強いはしなかったよな!」
明石「…。」
蛍丸「ねぇ…国行は、主さんが嫌い?」
明石「…嫌いや無いなぁ。」
愛染「ならさぁー今から主さん所に行って話て来いよ!」
明石「何でですのぉ?」
蛍丸「いいから!お互いを良く知るには、お話が大事だ。って歌仙が言ってたよ!」
明石「歌仙はんが、それを言いますかぁ?はぁ💨ほな、少し話て来ますわぁ…」
蛍丸「あれ?素直だね。」
明石「何や分からんけど…自分が、主はんの所に行くまで言い続けるんやろ?なら、さっさと行って戻りますわぁ。」
2人「行ってらっしゃーい!」
明石「はぁ💨」
明石は、近侍部屋に向かう。
蛍丸「…上手く行くかな?」
愛染「国行だからな…。」
蛍丸「上手く行かない気がするね…」
愛染「あぁ…」
コンコンコン
明石「主はん、居ますか?」
『明石さん?どうぞ?』
近侍部屋に明石が入って来る。
歌仙「君が、来るとは珍しいものだね。」
明石「たまにはなぁ。」
『どうしたんですか?』
明石「いや…どうって事は…無いんやけど…」
『?』
歌仙「何だい?はっきりしないね。」
明石「はぁ💨」
歌仙「急に来てため息とはね…」
『…歌仙。ちょっと抜けても良い?』
歌仙「まぁー今日の仕事は、大体片付いているからね。構わないが…」
『じゃあ、ちょっと行って来るね。』
歌仙「だが…」
『寂しい?』
歌仙「なっ💦そんな事あるわけ無いだろ!」
『じゃあ、あと宜しくね!行こうか、明石さん。ニコ』
主と明石は、近侍部屋から出て行き2人だけになれる場所を探し縁側に座り話をする。
『お茶でもどうぞ。ニコ』
明石「あぁ。」
『はぁ💨美味しい。』
明石「ほんまですなぁ…」
2人は、黙り何も話さないでいるが気まずい雰囲気は無い。
『いい天気だね〜』
明石「そうですなぁ〜」
『明石さんとこんな風にのんびりとお茶を飲む事が出来るだなんて始めの頃は思いもしなかったなぁ〜。クスクス』
明石「自分もや。あんたとこんな風に穏やかな気持ちで一緒にいられるなんて思いもせんかったわぁ。ニコ」
『明石さんは、何だか空気見たいですよね。ふわふわしてて柔らかい感じ。』
明石「空気…居ても居なくても変わらないっちゅう事やないですかぁ?」
『違うよ。空気は、無いと人は死んじゃうんだよ?だから、無くてはならない存在だよ。』
明石「そうですか…自分は、必要とされているんですなぁ…主はんに。」
『そうだよ。ニコ』
明石「自分にとっても、主はんは…無くてはならない存在だと思います。」
『そうなの?』
明石「多分…深くは、考えて無かったんやけど…さっき、国俊と蛍丸に主はんの事をどう思っているかって聴かれて自分なりに考えたんですわぁ。そしたら…考えれば、考える程、訳がが分からなくなったんですわぁ。」
『ふ〜ん。』
明石「でも、主はんは、自分に頑張れだのやる気を出せだの言わんし…無理強いもしない。ありのままの自分を受け入れてくれている。…その事に気づいたら何や胸の辺りが熱くなりましてなぁ…。あんさんの顔を急に見たくなってしまったんですわぁ。」
『…///』
((なんか…急に告られてる見たいな感じになったんだけど…))
明石「主はんは、仕事中だったのに抜け出させてしまってすんません。」
『いいんですよ。私も少し休憩したかったし明石さんが、私を訪ねて来るなんて珍しい事ですからね!ちゃんとお話したかったんですよ。ニコ』
明石「うっ…!」
『えっ?』
明石「ちょ、ちょっと手を貸してくれますかぁ?」
『あっはい…』
主は、明石に手を差し出すと主の手を取り自分の胸に当てる。
明石「分かりますか?…この動悸は、何ですか?」
『へっ?あっあの…///』
明石の胸からドキドキと言う鼓動が手に伝わって来る。
『いや、これは…何と言われても…もう、勘弁して下さい!』
明石「へっ?」
『失礼します!』
主は、急に立ち上がり明石をその場に置いて立ち去ってしまう。
明石「…逃げられてしまいましたかぁ。」
((もう…本当に今日は何なのよ!))