大切な君達…大事な主へ…
□9 浴室にてハプニング発生!
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全身泥まみれになってしまった主は、泥を落とす為に大浴場にて入浴中だった。
『はぁ💨今日は、大失敗だったなぁ。次からは気をつけないと…。』
ガラガラガラ
『えっ…』
三日月「はぁ💨昨日は、少し呑み過ぎてしまったなぁ…」
小狐丸「三日月殿…頂いた身は、若い体とは言え少しは無理の無い様にお呑みになった方が良いですよ。」
三日月「そうだな。…少しは、控えよう。」
((三日月に小狐丸!!なんで…私、入浴中の札って
………(思い出し中)…………
やば💦…ぶら下げて無い!!とっ取り敢えず…二人にバレないように岩の影に隠れるべし!!))
露天風呂の中の岩の後ろに姿を隠す主。
((一応、バスタオルは…巻いた…本当は、いけないんだけど…この際、仕方が無い。2人共…早く出てよ〜。))
三日月「本に、小狐の髪は長いな。邪魔にならぬのか?」
小狐丸「はい。邪魔には、なりませぬ。ぬしさまは、この毛並みが良いと仰いますので…私は、此で良いのですよ。」
三日月「そうか…。」
小狐丸が念入りに髪を洗い、三日月は露天風呂に浸かっていた。
((やばい…そろそろ…限界かも…小狐丸め…髪を念入りに洗いすぎよ!!あぁ…くらくらしてきたかも…。))
バシャ
三日月「ん?俺達以外にも湯浴みをしてる者が居るのか?」
小狐丸「まさか。このような昼間に湯浴みをするのは、私達だけですよ。」
三日月「…しかし、良く考えてみたら脱衣場に服があったような…。どれ、見て見るか。」
三日月が露天風呂内を見回る。
小狐丸「三日月殿。誰もいらっしゃらないでしょう?」
三日月「…いや。残念な事に主が浮いていたな。」
小狐丸「そうですか。ぬしさまがね。……ぬしさまですって!?」
三日月「うむ…のぼせてしまったのだろうな。」
小狐丸が髪にタオルを巻き走って三日月の場所まで行く。
すると、水面に顔だけを出し浮いている主を目にするだった。
小狐丸「な、何を落ち着いて話しているのですか!!ぬしさま!しっかりして下さい💦」
三日月「小狐よ。焦り過ぎだ。お主は、薬研を呼んで来てくれ。俺は、主を脱衣場に連れて行く。」
小狐丸「分かりました!今直ぐに!」
小狐丸は、下半身にタオルを巻いただけの姿で薬研の元へと急ぐ。
小狐丸(ぬしさま…死なないで下さい!この小狐、今すぐに薬研を連れて参りますゆえ!!)
小狐丸「薬研藤四郎は居るか!!はぁーはぁー」
薬研「なっなんだ、小狐の旦那か…。どうしたんだよ、そんな息を切らして…てか、旦那…その姿は、なんだ?」
小狐丸「薬研!!ぬしさまが、浴場で倒れていたのだ!!直ぐ一緒に来てくれ!!」
薬研「なに!!倒れたって出血は、あるのか!?」
小狐丸「いや、無いですが…顔を赤くして湯船に浮いていた。」
薬研「あぁーのぼせたのか。」
小狐丸「お、落ち着いて無いで早く来て下され!!」
薬研「あぁ…分かった、分かった。」
三日月side
三日月は、主を抱え脱衣場に横にし自分の着物を主に掛け、額には冷たい水で濡らしたタオルを乗せる。
三日月「仕方が無い子だ…。入浴の際は、札を下げるようにと言ったのにな…俺以外のものに素肌を見せるとは…。」
三日月は、愛しいものを見る目で見つめ主の髪を撫でる。
『うっ…ん…』
三日月「…目覚めるか?」
『…あれ…?ここは…』
三日月「急に起き上がっては、ならぬぞ。お主は、長く湯に浸かっていたせいで、のぼせて居たのだからな。今、薬研を呼びに小狐が向かっている。そのままで居るように。ニコ」
『あっ…そうだ…私…はっ!裸!!』
三日月「案ずるな。タオルは、そのままだ。上から俺の着物を掛けているから見えぬよ。」
『あ…ありがとう…。』
三日月「しかし、主よ。俺は、入浴の際の理を伝えた筈だが?」
『はい…忘れていました。』
三日月「そうか。では、この様な事が二度と起こらぬようにな。…再び、俺以外のものにその柔肌を晒すような事があれば…俺は、そのものを…折るやもしれぬぞ。ニヤリ」
『えっ…折る…。』
三日月「あぁ。ニコ」
『…。』
小狐丸「ぬしさま!!」
小狐丸と薬研が脱衣場に到着する。
三日月は、主の耳元で囁く。
三日月「…忘れるな。ニコ」
『!!///』
薬研「大将。まだ、顔が赤いな…相当、湯に長く入ってたんだな…。」
『違っ…これは…。』
主は、三日月を見る。
三日月「どうした?主よ。ニコ」
『!?…いや…別に…。』
薬研「なんだ?…さて、頭は冷やしているのか…じゃあ、大将。ゆっくりで良いから身体を起こせるか?無理なら良いぜ。」
『…大丈夫。』
薬研「じゃあ、これを飲みな。ゆっくりで良いからな。」
小狐丸「薬研。これで、ぬしさまは治るのですか?」
薬研「まぁー今日一日は、安静だな。大将は、平気、大丈夫って言って無理しがちだからな。今日は食事も部屋で摂ると良い。あと、水分補給を多めに摂るように!」
『あっ…はい、すみません。ご迷惑お掛けしました。』
小狐丸「では、ぬしさま。着替えられますでしょうか?」
『うん、ゆっくりやれば平気。』
小狐丸「では、脱衣場の外でお待ちしていますので、ゆっくり着替えて下さい。」
『はい。』
三日月と小狐丸は、着物を来て薬研と共に脱衣場の外に出る。
薬研「じゃあ、俺っちは手当て室に戻るぜ。大将に何かあったら知らせてくれ。」
(主至上主義組の小狐丸だが、冷静沈着の旦那が、あんなに慌てて俺っちの所に来るとはね…。いち兄の恋敵は、多いな。…いち兄の為に惚れ薬でも作ってみるかな。)
薬研は去り、その場に残った小狐丸と三日月は話をする。
三日月「小狐よ。この後の主の世話を俺に任せてくれぬか?」
小狐丸「ダメです。ぬしさまの近侍は私なのです。弱っているぬしさまを三日月殿に任せるなど…出来ませぬ。」
三日月「ほう…どうしてもか?」
小狐丸「はい。今の三日月殿は、とてもお怒りになられていますので申し訳ありませんが、ぬしさまを預ける事は出来ませぬ。」
三日月「流石、小狐よの。隠していても知れてしまっていたか。はっはっはっ」
小狐丸「野生の勘ですね。」
三日月「…。」
三日月は、黙りその場から歩き出す。
小狐丸「三日月殿、どちらへ?」
三日月「…頭を冷やしにな。」
小狐丸(…あの三日月殿があんなにも感情が漏れ出す程にお怒りになるとは…ぬしさまへの想いが、とても強いのですね。…私も負けていられませんね。)
『お待たせしました。』
小狐丸「では、参りましょうか。失礼致します。ニコ」
『えぇ〜〜!!』
小狐丸が主を抱き上げる。
『いや、待って!!お、重いから!!降ろして💦』
小狐丸「小狐は、鍛えていますので、ぬしさまは重く御座いませんよ。さっ、お静かに。行きますよ。ニコ」
『やだよ〜お姫様抱っこなんて…恥ずかしい💦///』
小狐丸「ん?ぬしさまは、私がお姫様抱っこをして欲しいとな?と申しますとキャーキャーと仰ていたでは無いですか。ニヤリ」
『あっあれは、アプリでしょう!!本当にこんな風にやられたらドキドキしちゃうじゃない!心臓が止まりそうだよ…///』
小狐丸「それは、困りましたね。…では、急いでお部屋に行きましょう。」
『だ〜か〜ら〜降ろして〜。』
小狐丸は、主の言う事を聴かずに部屋まで行き、主を布団の上に寝かせる。
小狐丸「…ぬしさま。」
『はい…。』
小狐丸「何故、私は、またぬしさまのお部屋に入れるのでしょうか?」
『えっと…それは…』
小狐丸「札は、如何致しましたか?」
『あります。』
小狐丸「貼って下さい。」
『すみません。』
小狐丸「もしも、ぬしさまを御守り出来なかった時…私は…私は…うぅ…」
『あっ!泣かないでよ💦』
小狐丸「では、何故お貼りになられ無いのですか。」
『みんなとの間に壁を作りたくなくて…結界札を貼るって事は、みんなが私をどうにかするって疑ってるみたいで…なんか嫌なの。』
小狐丸「ですが、今は仕方の無い事なのです。あなた様を良く思わ無いものが居る故に致し方の無いこと。」
『分かってる!でも…』
小狐丸「…分かりました。」
『えっ…』
小狐丸「ぬしさまが、お優しい方なのは重々承知の上です。ぬしさまが、結界札を貼らないのであれば、せめてこの鈴をお持ちください。」
『これは?』
小狐丸「ただの鈴です。」
『…?』
小狐丸「ぬしさまの身に危険が迫った時にお鳴らし下さい。この小狐、何処に居ようと、この鈴の音が鳴れば直ぐにぬしさまの前に参ります。」
『えっ…そんな事できるの?』
小狐丸「はい。野生の私があればです。」
『あぁ〜この耳かぁ〜。』
小狐丸「はい。ニコ」
『ありがとう。鳴らす事は、無いと思いたいけど…もしもの時は、お願いします!ニコ』
小狐丸「はい!承知致しました。では、ごゆっくり、お休みください。」
『うん。おやすみなさい。』
小狐丸は、主の部屋より出て行く。
((今日は、いろいろと失敗したな…。よし!明日からまた頑張るぞ!!))