大切な君達…大事な主へ…

□8 馬当番、足元注意!
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小狐丸「ぬしさま。今日は、如何お過ごしになられますか?」

『う〜ん。そうだな…今日は、馬当番の手伝いに行こうかな。』

小狐丸「馬当番でしたら…貞宗達ですね。…はっ!ぬしさま。1人少々変わった者がいますので、お気をつけ下さい💦」

『変わった者?貞宗って…あぁ〜亀甲の事?』

小狐丸「はい…。ぬしさまを大事に想う気持ちは、私に劣らずあるのですが…表現の仕方が独特と言いますか…気色悪…。ゴホン、失言でした。」

『大丈夫だよ。亀甲の性格は、分かってるから平気。ありがとうね、心配してくれて。ニコ』

小狐丸「///…はい。」

『じゃあ、行って来ます。』

小狐丸「いってらっしゃいませ。ニコ」



小狐丸(何て、お心の広いお方なのだ…。まるで菩薩の様だ…。)





馬小屋




『こんにちはー!お手伝いに来ました!』

太鼓鐘「おっ!主〜!手伝ってくれるのかぁ〜助かるぜ!!なぁ〜物吉!」

物吉「はい、主様!ありがとうございます。ニコ」

『その笑顔…可愛い!!よし!私は、何をすれば良いかな?』

太鼓鐘「そうだな…じゃあ、馬の毛を整えてくれ。其所にブラシがあるだろ?」

『分かった。…ブラシ…ブラシ…。えぇっと……』

亀甲「あ、あの!!…ご主人様…こ、これを…」



亀甲は、馬のブラシを手持ち主に差し出す。



『あぁ〜亀甲、ありがとう。ニコ』

亀甲「はぅっ!!ご主人様の笑顔…素敵です!!」



涙を浮かべる亀甲を見て慌てる主。



『えっ!泣かないでよ💦』

亀甲「はい…ですが、涙が勝手に…。ご主人様に会えなかった分の想いが溢れ出ているようです…。」

『そっか…ごめんね。寂しい想いをさせてしまって…。』

亀甲「そんな…ご主人様が悲しい顔をしないで下さい。…あぁーなんてボクは、ダメな刀なんだ…。ご主人様にこんな顔をさせるなんて…ご主人様、お願いです!こんなボクに何か罰をお与え下さい!!」

『フフフ。亀甲…貴方にとって罰は、罰では無いでしょ?』

亀甲「はぅっ!!ご主人様は、ボクの性質をちゃんと分かっているんだね…幸せだ。」

『さて、話ばかりして無いでお仕事しましょう!』

亀甲「あぁ…はい。ですが、何時か…ボクに…そ、その…お仕置きを…して下さい!」

『フフフ、しないよ。』

亀甲「あぁ!!…そんな、ボクが欲しがっている事をしてくれ無いだなんて…。はっ!これは、これでお預けと言う…お仕置き!!はぁーはぁー萌えてくる!!」



主は、亀甲の独り言を聴きもせず馬の毛並みを整えていた。



太鼓鐘「主…うちの長男が悪いな…。はぁ💨」

『えっ?なんで?』

物吉「変わっていますよね…?」

『フフフ。あれは、あれで個性でしょう。私が、君達のお兄さんを嫌うと思ってるのかな?大丈夫だよ。私が、貴方達を嫌う事は、絶対に無いから。安心して。ニコ』



主は、二人の頭を撫でる。



物吉「主様…ありがとうございます!ニコ」

太鼓鐘「ありがとうな!ニコ」

亀甲「な、なんだい!?なんで、二人共ご主人様に頭を撫でて貰っているんだい?あぁ…ご主人様、ボクも撫でて貰いたい…。」

『いいよ。おいで、亀甲。』

亀甲「はっはい!!」



亀甲は、勢い良く主の元へ駆け寄ると泥濘んだ地面に足を取られ豪快に前に転びそうになると主が、亀甲の前に駆け出し亀甲の体を支えようとする。しかし、勢い良く倒れてくる男の体を支えきれる筈もなく主と亀甲は共に転んでしまう。



亀甲「あっ…あぁ…ボクは、なんて事を💦ごっ…ご主人様、大丈夫ですか!?」

『痛たたたぁー。私は、平気。ちょっとお尻を打っただけだから…亀甲は、大丈夫?』

亀甲「ボクは、ご主人様が庇ってくれたから手が少し汚れただけです。」

『そう、なら良かった。』

太鼓鐘「おいおい!大丈夫か、二人共。」

『うん、平気だよ。ちょっと立たせて。』

亀甲「あっ…ボクが。」



主は、亀甲より手を引っ張って貰い立ち上がる。



亀甲「ご主人様…本当に申し訳ありません💦」

『大丈夫!大丈夫!気にしない!気にしない!ニコ』

太鼓鐘「主よぉ〜。俺達は、男の体を貰ってるんだから女の主が庇う事は無いんだぜ?寧ろ、庇われる側だ!こんな事は、二度としちゃダメだからな!」

『でも…咄嗟に体が動いちゃって…』

太鼓鐘「たく…主。もう、此処は良いから風呂行って来たらどうだ?」

『えっ?でも、まだ全然手伝えて無いよ?まさか…邪魔?』

物吉「違いますよ。その…主様の装いが…泥だらけになってしまっていますので…。」

『へっ?あぁ〜本当だ…なんか、ごめんね。手伝いに来たのに逆に邪魔しに来たみたいになっちゃった…。』

物吉「そんな事は無いです!主様が手伝いに来てくれたのは、本当に嬉しく思っています。また、お手伝いお願いしますね!ニコ」

太鼓鐘「そうだぜ!主が、そんな格好で手伝ってくれてる方が皆に格好がつかない。身だしなみは、大事だからな!また、頼むぜ!ニコ」

『うん…。じゃあ、またお手伝いに来るね!』

亀甲「…。」

『亀甲!気にしないでね!じゃあ、またね。ニコ』

亀甲「はい。」

亀甲(あぁ〜本当にボクのご主人様は、なんてお優しい人なんだろう。…それなのに、ご主人様の優しさに気づかない愚か者共が……。あぁ〜でも何時か、お仕置きをされたい!必ず…!!)
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