大切な君達…大事な主へ…

□7 買い物じゃーーー!
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((何処から行こうかな…。やっぱり短刀がいっぱい居る粟田口からだな!))


『こんにちは。皆さん、いらっしゃいますか?』

薬研「よう!大将、俺達に何か用か?」

『あの、欲しい物や足りない物とかは無いかな?』


粟田口の部屋に来た主が皆に声を掛けると短刀達が主の周りに集まり欲しい物を一声に言う。



『あ…待って…みんな、ゆっくり…。』

一期「こら!お前達いい加減にしなさい!主がお困りになってるじゃないか!」



一期が、一喝すると短刀達が静かになる。



前田「主君、僕達に欲しい物は無いんです。…ただ1つだけお願いをしても良いでしょうか?」

『何?』

前田「主君のお暇な時で良いのですが、その…い、一緒に遊んでは頂けないでしょうか?」

『フフフ。お安いご用です!ニコ』

秋田「やったー!」

『お菓子も持って来るからね。』

包丁「主!人妻じゃないけど大好き!!」

『薬研に一期さんは、何か無いですか?』

薬研「そうだな…。医療用の物が結構無かったな。後で確認してメモを渡すよ。」

『了解!一期さんは?』

一期「私も欲しい物は無いのですが…その…お願いをしても宜しいでしょうか?」

『ん?どうぞ。』

一期「その…一期とお呼び下さい。さん付けは…止めて頂きたいのです。///」

『はい、分かりました。ニコ』

一期「あっ…///」

薬研「大将…他の奴らにも聞きに行くんだろ?」

『うん。』

薬研「じゃあ、此処は、もう平気だ。次、行ってやってくれ。」

『うん。その…今まで辛い思いをさせてしまってごめんなさい。』

鯰尾「主には、現世で色々やる事があったんでしょ!俺達は、もう大丈夫だよ!」

一期「えぇ。貴女が、この本丸に戻って来てくれた…それだけで私達は、とても幸せな気持ちになっているのですよ。ニコ」

薬研「そんな事をいつまでも気にして無いで早く次、行ってやんな!」

『うん。こんな私をまた受け入れてくれて、ありがとう。じゃあ、行くね。ニコ』



主は、粟田口の部屋を出て行く。



薬研「いち兄…頑張れよ!」

一期「な、何を…///」

鯰尾「そうだね。主が、いち兄とくっつけば永遠にこの本丸に居続けてくれるかもですよ。クスクス」

一期「な、何を言っているんだ!お前達は💦…あの方は、何れは現世に帰るお方だ…私如きが、あの方を此方に留める事なんて…。」

薬研「まっ!いち兄が、本気になったら俺達は、全力で協力するからな!」

一期「全く…お前達は…。」



主は、次に三条の部屋へと向かった。



『こんにちはー!』

今剣「あっ!あるじさまー。どうかしたのですか?」

『今剣!あのね、欲しい物や足りない物は無いかな?買い物に行って来るよ。』

今剣「そうですね…ぼくは、とくにないのですが、なにかありますか?岩融。」

岩融「そうだな…これと言って欲しい物などは無いな。如何かな石切丸殿。」

石切丸「う〜ん。私も特には無いよ。三日月さんはどうだい?」

三日月「ジジイは、欲しい物があるぞ。」

『おっ!なんですか?』

三日月「其方だ、主よ。ニコ」

『…。』

石切丸「三日月さん…それは、どう言う意味だい?」

三日月「言葉のままだが?主よ、俺の所に来い。」

『遠慮します。…欲しい物が無いのであれば、私はこれで…』

三日月「ジジイの言う事が聞けぬか…良い度胸だな。はっはっはっ」

『…私には、やる事があるので、その願いは聞けません。すみません。』

三日月「うむ、断られてしまったか…仕方ない。また、誘うとするか。」

『…あの、皆さんには、今まで大変な思いをさせてしまって、すみませんでした。』

石切丸「もう、済んだ事だよ。気にしなくて良いよ。ニコ」

岩融「主、これからだ!また、我らと共に成長して行こうぞー!ガハハハハ!」

『はい。ありがとうございます。では、また…失礼します。』



主は、三条の部屋を出て行く。




今剣「こころのやさしいかたですね!」

岩融「そうだな!」

石切丸「私達は、優しい主を持てて幸せだね。」

今剣「はい!」

三日月「うむ、今日の口説き文句は、何がいけなかったのだ?…試行錯誤が必要だな。」

石切丸「三日月さん…本気なのかい?」

三日月「勿論だ。俺は、必ず主を俺のものにする。」

石切丸「はぁ💨三日月さん。主の嫌がるような事は、くれぐれもしないで頂きたいね。」

三日月「分かっている。ジジイは、女の扱いには馴れている。無理矢理などするわけが無い。はっはっはっ」



主は、皆に謝罪と欲しい物を聞き終わり、庭で一人歩いていた。



((…みんな欲しい物が無いなんて遠慮してるのかな?あと聞いて無いのは…))



鶴丸「よっ!」


パン


『わぁ!!』



主は、背後から大きな声と共に背中を叩かれ驚く。
振り返ると鶴丸国永がニヤつきながら立って居た。



『鶴丸さん…驚かさないで下さいよ〜。』

鶴丸「ははは。すまないな。君が、こんなにも驚くとは思わなかったぜ。」

『もう…。』

鶴丸「さて、主よ。この本丸に来て早々、何をしてるんだ?」

『えっ…?』

鶴丸「君は、朝から本丸中の刀剣達に欲しい物が無いかと聞いて回っているのだろ?物で俺達を釣らなくても君の力で私を認めろ、歯向かうな。と命令すれば良いんじゃ無いか?一体、何を企んでいるんだい?」

『…私は、別に何も企んで無いですよ。』

鶴丸「昨日の大広間で君に敵対…憎悪を抱いて居るもの達の事に気づいて無いってわけじゃ無いだろう?」

『…』

鶴丸「黙りか。はぁ💨…自分の意見を言えよ。」



鶴丸は、主の後に立つ木まで追い詰め、逃げられないように木に両手を付き主を閉じ込めた。



『あっ…時間は、掛かると思います。でも、何れは、みんなと打ち解けられたらいいと思っています。』

鶴丸「ほう。時間を掛ければ何時かは解り合えると…。ふっ甘いな。煙たがっている奴等の中には、君を殺そうと思ってる奴もいる。和解する前に寝首を掻かれるぞ。ニヤリ」

『鶴丸さんは…私の事を…』

鶴丸「良く思って無いぜ。そりゃそうだろ?自分勝手でやる事は、中途半端…良く思えって方が無理だろ?」

『……はい。』

鶴丸「昨日は、あんな風に謝っていたがどうせまた、面倒になったら投げ出すんだろ?」

『!!そんな事は、もう二度と致しません!』

鶴丸「どうだかな。」

『…信じて貰え無いかもですが…。私…がっ頑張ります。本当に…今まで…ご、ごめんなさい。』



主の目には、涙が溜まる。
二人が話していると其所へ薬研が主を探してやって来る。



薬研「大将、外に居たのか。さっき言ってたメモを…って…
おい!なんで泣きそうな顔をしてるんだ!?…しかも、この状況はなんなんだ?」

鶴丸「ん?あぁ、薬研か…」

『!!な、泣いてなんかない!』



鶴丸は、主から離れる。
主は、まばたきをした途端、目に溜め込んでいた涙が流れる。主の流れる涙を見た薬研の表情が変わる。



薬研「…鶴丸国永。大将に何をしたんだ。」

鶴丸「別に何もしちゃいないぜ。」

薬研「じゃあ、何故、大将は泣いてんだよ。旦那が、傷つけるような事を言ったんじゃないのかよ。」

『薬研!違うの。これは、元はと言えば、私の招いた結果だから…鶴丸さんは、悪く無い。』

鶴丸「…。」

薬研「はぁ💨どうせ、鶴丸の旦那が大将に言い掛かりでもつけたんだろ?」

鶴丸「言い掛かりとはなんだよ。俺は、思った事を言っただけだぜ。」

薬研「そのせいで大将がこんな顔になってるって気づかなかったのか?」

鶴丸「それは…」

薬研「大将に何を言ったかは、知らないが大将は、朝から俺等の所に1人で今までの事を謝って回ってんだ。昨日、謝ったにもかかわらずな。そんな事を知っていて大将を泣かせるような事を言ったのか?」

鶴丸「…。」

薬研「鶴丸の旦那も昨日の主を見て嘘をつくような子じゃ無いって分かっているだろ?…あまり虐めてると嫌われるぜ。な!大将。」

鶴丸「!?///」

『えっ…いえ。私が、みんなを嫌うなんて…。』

鶴丸「…悪かったな、言い過ぎたよ。すまない。」

『あっいえ。鶴丸さんに言われた事は、御尤もです…それなのに涙なんて流してしまい申し訳ありません。』

薬研「ははは。鶴丸の旦那!大将は、まだ俺達と比べたら子供なんだからあまり虐めるなよ!じゃあ、大将これ宜しくな。」


((子供って…私、だってそこそこ大人な女性なんだけどな…。))


鶴丸「分かってるよ。」



薬研は、主に買い物のメモを渡すと二人の前から去って行った。



『鶴丸さん!私、今言われた事をちゃんと受け止めて同じ過ちをしないよう心掛けますので、どうぞこれからも宜しくお願いします。今までの事で不快な思いをさせてしまい、ごめんなさい。』

鶴丸「いや、その…。俺は、そこまで君に不快な思いなんてして無い。///」

『えっ?でも、さっき…』

鶴丸「あれは…ちょっと意地悪をしただけだ。」

『…意地悪ですか。じゃあ、私の事は嫌いじゃないと言う事ですか?』

鶴丸「まぁーな。」

『良かった…。ニコ』

鶴丸「あっ…///
君は此れから、買い出しか?お詫びに手伝うぜ。」

『いいんですか!?』

鶴丸「あぁ、君が嫌じゃなければな。」

『嫌だなんて、滅相も無いです!助かります!!』

鶴丸「そうか。ニコ」

『では、行きましょう!鶴丸さんも欲しい物があったら言って下さいね!』

鶴丸「ははは。分かったよ。」



鶴丸、小狐丸、主の3人で仲良く万屋に買い出しい行くのでした。
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