大切な君達…大事な主へ…
□3 約束は守ってくださいね!
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こん「主様、一つ大事な事をお話しても宜しいでしょうか?」
『大事な事って、何?』
こん「主様の真名…真の名前を彼ら…付喪神には、絶対に知られ無い様にして下さい。」
『えっ?何で?』
こん「彼らは…神です。人間の真名を知れば容易く言霊縛りや呪い殺す事、神隠しが出来てしまうのです。」
『言霊縛り、呪い殺す…それは、どう言う事なの?神隠しだって、もう既に今されてるじゃない。』
こん「本当の神隠しとは、気に入った人間を己の空間に閉じ込め食べる事なのです。食べる事によって永遠の交わりを遂げるのです。」
『えっ…怖!食べられちゃうんだ…』
こん「呪い殺すは、お分かりになると思いますが、言霊縛りは、神達の言う事に逆らえなくなるのです。絶対服従ですね。」
『ねぇー怖い事しかないんだけど…神様ってみんなそうなの?』
こん「神とは、願いを叶えるだけでは無いのですよ。荒ぶる神を鎮める為に昔から生け贄が捧げられていたと言う事もありますからね。」
『な、なるほどね…。分かった。名前を言わなきゃ良いのよね。絶対に秘密にする!!』
こん「はい、そうして下さい。後、此方を渡して置きますね。」
こんのすけより四枚の札を渡される。
『これは…御札?』
こん「結界札になります。」
『結界?』
こん「主様のお部屋の角と角にお貼り下さい。この本丸内での女人は、主様のみでございます。夜這い、暗殺に来る者達の部屋への侵入を絶てます。」
『そっか…みんな男なんだよね。でも、夜這いは無いよ!…暗殺かぁ…刀だもんな…。』
こん「必ず貼ってくださいね!!」
『えっうん…分かった。』
コンコン
三日月「主、入るぞ。」
『あっはい。』
三日月、一期、薬研が部屋に戻る。
一期「主、準備が整いました。参りますか?」
『うん…お願いします!』
一期「では、参りましょう。」
部屋から出るといつ奇襲されても対処できるように主の両サイドに三日月と一期が歩き、後を薬研が歩く。前をこんのすけで守られながら大広間へと向かう。
大広間
こん「奇襲は、無かったですね…。主様、準備は宜しいですか?」
『うん…大丈夫!』
こん「では、頑張って下さい。」
集まっている刀剣達に先ず三日月から事情説明があり、話終わると主は呼ばれる。
三日月「では、主より話がある。皆、良く聞くようにな。」
大広間は、静まり返る。主は、前に出て行き正座をし皆を見渡す。
『この姿を皆様の前に晒すのは、初めてですので挨拶をさせて下さい。この本丸の主です。…この度は、私の身勝手な行動で皆様に不快な思いをさせてしまいました。本当にごめんなさい。』
頭を深々と下げる。
『皆様には、嘘を着きたく無いので正直な事を言います。…私は、今後元いた世界に帰ります。ですが…今は、帰る方法が全く分かりません。…帰れる日が来るまでは、今まで蔑ろにして来てしまった償いに全力で皆様の為に動いて行こうと思っています。こんな私ですが、許して下さいますでしょうか?』
大広間は静まり返る。
『…やっぱり許してなんてくれないですよね…。(小声)』
今剣「あるじさま!おかえりなさーい!!」
今剣は、主に抱きつくと他の短刀達が一斉に主の周りに集まって来る。
秋田「主君に会える日をずっと心待にしていました!」
乱「あるじさんがこんなに可愛いなんて…。ボク嬉しいよ💓」
薬研「良かったな大将。皆、受け入れてくれたみたいだぜ。」
短刀達のお陰でその場の雰囲気が和らいだが、それも束の間であった…
不動「…待てよ、薬研。俺達は、そいつの事を許してねーよ。ヒック」
『…。』
薬研「不動…。」
和泉守「よう、主さん。あんた、元の世界に帰りたいって言ったな。帰ったらまたここを放置する気じゃねーだろうな?どーなんだ主さんよぉー!!」
『…同じ過ちは致しません。』
明石「そんな事ゆーて帰ったとたんに面倒になって放置するんとちゃいますか?」
大和守「やっぱりここで殺すしかないかもね…。ふはははは」
大和守は、本体の刀に手をやると主の周りに居る短刀達も刀に手を掛ける。
『…皆様、刀から手を離してください。お願い致します。』
今剣「でも!」
『お願いです。』
今剣「…はい。」
短刀達は、刀から手を離す。
『ありがとう。…大和守安定、貴方もです。手を離して下さい。』
大和守「チッ!」
『皆様の信頼が無いのは、自分で招いた結果なので仕方のない事だと思いますが、私は始めにも言いましたが皆様に嘘を述べたく無いのです。今すぐ信じて下さい。とは言いませんが皆様が信頼してくれるよう努力して行きます。…こんな主でごめんなさい。』
歌仙「精精、頑張る事だね。…行こう。」
歌仙を筆頭に不動、明石、大和守、和泉守が大広間から出て行く。
『歌仙…。』