すれ違う2人…素直になれない想い…

□9 俺かてヤキモチぐらい妬くんやで…
1ページ/1ページ






昼食



忍足「今日は何にしたんや?」

『パスタとサラダセット。侑士は?』

忍足「俺はソースカツ丼や。」

『へー美味しそうだね。』

忍足「一口食うか?」

『あっ平気です。』

忍足「何や照れんでもエエで。」

『いや、太るんで本当にいいです。』

忍足「そうか。食べたくなったら言うんやで。あーんしたるわ。」

『絶対言わない。』

忍足「昨日は何してたんや?電話してもでーへんかったな。」

『昨日はお爺様の三回忌の法事だったの。』

忍足「そうか。…跡部もおったん
か?」

『うん、向こうのお爺様と一緒に来てくれたわ。』

忍足「…跡部と話したんか?」

『えっ一緒に行動したから話はするけど…。何で?』

忍足「嫌な事されなかったか?」

『うん。もぉー私が嫌がる事はしないみたい。私がお爺様のお墓の前で泣いちゃったら慰めてくれたんだよ。』

忍足「!慰めた…。」

『うん。昔の景ちゃんに戻ったみたいだったなぁ〜。クスクス』

忍足「…何や仲良さそうやな。」

『あっ…ごめん。』

忍足「ええねん。気にせんで…景ちゃんねぇ〜。何や腹一杯になってもうたわ。先に教室戻るわ。」

『あっうん…じゃーまたね。』

忍足「あぁ。」
(俺の知らん所でどんどん2人の距離が近づいてきてるやん。腹立つわ…。)



下校



『さて!今日も終わり。帰ろ。』

忍足「やっと終わったか〜」

『侑士は午後からずっと寝てたじゃない。』

忍足「…誰のせいやと思うとんねん。(小声)」



廊下が騒がしくなる。



女子達「きゃー!跡部様よー。どうしたのかしら。」



ガラガラガラ



跡部「おい!名無、一緒に帰るぞ!」

忍足「…跡部💢」

『へっ?何で…。』

跡部「今日は部活が無いからなお前と過ごそうと思ってな!」


女子達「跡部様にあんな事、言われていいなぁ〜。うらやましいー。」


跡部「ほら、行くぞ!」



跡部は名無の手を取るが忍足がその手を払いのける。



忍足「跡部…いい加減にしいや!こいつは俺の女や。彼氏の前で平気でかっ拐おうとすんなや!ギロ」

跡部「ふっ。何キレてんだ?元々は俺様の婚約者だろーが!ギロ」

『はぁ💨またこれ…』

忍足「名無、行くで。」

『えっ…ちょっと待って!』



忍足は名無の手を引きその場を去る。



跡部「チッ!何、キレてやがんだか知らねぇーが…名無を傷つけたらただじゃおかねぇー。」

女「跡部様。あの…一緒に帰ってもよろしいですか?」

跡「あ〜ん。俺様は名無以外の女とは今後、付き合わねぇーよ!話しかけんな!!」

女「す、すみません…」





『ゆ、侑士!何、怒ってんのよ。手、痛いよ。離して!』

忍足「分からんか?」

『えっ?』



忍足は立ち止まり名無と向き合う。



忍足「惚れてる女が他の男と帰ろうとしてたら怒るやろ!」

『あれは景ちゃんが勝手に言ってただけで帰ろうとなんてしてないじゃない!』

忍足「それだけやない。あんなにギクシャクしてた2人だったのにいつの間に仲直りしたんや!お前も跡部の事、景ちゃんやなんて呼びよるし。どう言う事やねん。」

『それは話す機会があったからそれで誤解が溶けただけだよ。』

忍足「…昨日も俺の電話にでぇーへんで跡部といたやなんて…しかも慰めて貰ったって…なんやねん。」

『…。』

忍足「俺達いちよう付き合ってんねんで。分かってるんか?」

『…ごめん。』

忍足「…あぁー何やイライラしてもうてお前に当たってしもた…まだお前の気持ちが定まってないのに…俺の気持ちを押し付けてしもたな…すまん。俺、頑張らないかんな…」

『…何を?』

忍足「お前に好きになって貰うようにや。ニコ」

『…。』

忍足「黙んなや。ほな、家の近くまで送るわ。」

『うん…ありがとう。』
次の章へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ