すれ違う2人…素直になれない想い…

□5 傷付いた心を癒して…
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跡部side


跡部(…腹立つ。こそこそと付き合いやがって💢)


女1「跡部様だわ!」

女2「あら、本当だわ〜。」

女3「跡部様。こんにちわ。今日はお一人ですか?」

跡部「あぁ?それは、どう言う意味だ?」

女3「あっ…ごめんなさい。いつも一緒にいた派手めの方と最近いらっしゃらないようだったので…。」

跡部「あいつは切った。」

女2「そうなんですのね!うちらにもチャンスが来たんじゃない!?(小声)」

女1「でも婚約者がいるわよ…(小声)」

跡部「…。」



跡部の後を忍足が追い掛けてきて声を掛ける。


忍足「おい!跡部。」

女3「忍足君だわ!」

跡部「💢おい!お前らに俺様から発表する事がある。」

女1「何ですか?」

跡「俺様と名無しさん名無は婚約を解消した!!」

女達「えっ!!?」



辺りにいた生徒達が騒ぎだす。



忍足「跡部!なんて事、言うんや!」

跡部「うるせー!お前も嬉しいだろ?名無とこそこそ付き合わなくて済むんだからな!!」

女達「えぇ〜!!忍足君と名無しさんさん付き合ってたの!?」



更に騒ぎだす。



跡部「これで公認になれたな。有り難く思えよ。」

忍足「…。」

女1「あの跡部様は…そのフリーになったって事ですよね!!」

跡部「あぁ?そうだ。」

女2「うちらにもチャンスがあるって事!!」

跡部「ふっ。そうなるな。」



女達の目の色が変わる。



忍足「…跡部。ちょっと話、聞きや!」

跡部「俺様は忙しい身だからなお前と話してる時間はない。」



名無か遅れて来る。



跡部「…良かったな。お前らが公に付き合えるようにしてやったぞ。」

『…。』

跡部「感謝の言葉もねぇーのかよ💢」

『…侑士、行きましょう。』

忍足「名無!このままでええんか!?」

『何を言って無駄よ…。』



名無と忍足はその場から去って行く。



跡部「…チッ💢」
(何から何までイラつくぜ)



女1「否定しなかったわよ。」

女2「本当に付き合ってるのね。」

女3「跡部様という人がいるのに…なんなのあの女💢」

跡部「…。」



名無side



忍足「名無!誤解を解かなくてええんか?」

『何を言っても信じないでしょ。』

忍足「…。」

『いいのよ。これで…。』

忍足「俺はこんな形でお前と付き合ってるなんて噂されるのはいやや。」

『あっ…ごめん。巻き込んじゃったね。それはちゃんと訂正して…』

忍足「ちゃう!俺はちゃんとお前と噂じゃなく付き合いたいんや!!」

『えっ…?』

忍足「…気づかんかったか?俺がお前の事を好きだったって。」

『…うん///』

忍足「そうか。ならちゃんと言わせて貰うわ。俺はお前が好きや。お前の事を守ってやりたい。俺はお前に悲しい顔をさせない。俺と付き合ってくれへんか?」

『私は…正直分からない。侑士の事は大切な友達だと思ってる。恋人として見るなんて…出来るのかな…』

忍足「なら付き合ってみて違うって思ったら別れればええやん。」

『でも、それじゃーなんか…』

忍足「俺に悪いか?」

『…うん。』

忍足「俺はそれでもかまわんで。お前と一緒にいられるんやったらな。」

『…。』

忍足「お前が俺と一緒にいるのが嫌やないんやったら…頼むわ。」

『…嫌じゃないよ。』

忍足「ほな、これから宜しく頼むな。」

『…うん。』
((なんか…流されちゃったような…本当にいいのかな…。))



次の日



『おはようございます。』

女子達「…。」


((無視かぁ…。当たり前よね。))



名無は自分の席に座る。



忍足「おはようさん、名無。」

『侑士、おはよう。ニコ』

忍足「今日、一緒に帰らへん?」

『うん、いいよ。』

女1「朝から気分悪!」

女2「ねぇ〜。クスクス」

『…。』

忍足「なんや空気悪いなぁ。どないしたんや?」

男1「…女子達がなんか企んでるみたいなんだよ。」

忍足「企んどる?何を?」

男1「えっと…」



男子生徒は名無を見る。



『?言いづらい事なの?』

男1「…名無しさんさんを無視するって。」

忍足「なんやそれ。」

男1「昨日の跡部と名無しさんさんの婚約解消の件が広まっててそれでみたいなんだよ。」

『そっか…』

忍足「そんなん外野には関係のない事やん。」

男1「そうなんだけど…解消の原因が忍足と付き合ってて浮気したからだって。」

忍足「ほーう。全部、外野には関係ない事やな。」

男1「名無しさんさん、気を付けなよ。」

『うん、ありがとう…。』



放課後



忍足「ほな、帰るで。」

『うん。』



2人は教室を出て行く。



女2「なんか無視だけじゃダメじゃない?」

女1「だね。彼氏と仲良く下校デートだもんね。」

女3「明日からもう少しハードル上げてみようよ!」

女1「そうしよ!クスクス」



下校中



忍足「無視かぁ〜」

『…。』

忍足「そんなガキみたいな事して楽しいんかな?」

『さぁ〜』

忍足「まぁー俺がお前を守るから安心しいや。」

『ありがとう!』







跡部「…一緒に帰ってやがんのか。」
(見たくねぇーのに視界に入って来やがる…なんなんだ💢)



次の日から名無への苛めはエスカレートして行く。



『はぁ💨さすがに一週間、物がなくなったりするのはきついなぁ…探さなきゃいけないからなぁ。』

忍足「だから俺がガツンと言ってやるってゆーてるやん。」

『多分それは逆効果で余計に怒らすよ。』

忍足「せやかて自分の女が嫌な思いしてるのを黙って見てるなんて…そろそろ限界やで。」

『まぁーその内収まるから。大丈夫だよ。ね!ニコ』



忍足の顔をのぞき混む。



忍足「泣きついてきてもええんやで。」

『そんな事はしません。』

忍足「そうか…。そうや今日は委員会の集まりやねん。先帰ってええからな。」

『そう、分かった。』

忍足「寂しいか?」

『…少しね。』

忍足「ハグしたるで?」

『大丈夫です。』

忍足「つれないなぁ…」

『ふふふ。』



放課後



『あれ…手紙だ。』



名無へ

話がある。体育館裏に来い。



跡部 景吾




『景吾さん…?何の話があるのよ…。』



体育館裏に行くと跡部ではなく女子達が待っていた。


女1「跡部様が来るとでも思ったかしら?」

『…何か用ですか?』

女2「あぁ〜むかつく💢何その態度!」

『私に用があって呼び出したのでしょう?』

女3「気取ったしゃべり方してんじゃねぇーよー。」

『…。』

女1「あんたさぁー。忍足と付き合ってるんでしょ?なんなの?跡部様の何が劣ってるっていうんだよ!」

『別に景吾さんが劣ってるから侑士と付き合った訳ではないですよ。』

女2「景吾さんねぇ…。もぉー婚約者じゃ無いんだから馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇーよ!」



激怒した女子が名無の頬を平手打ちする。


パン



『いっ…』

女3「顔、赤くなっちゃったね。美人な顔が台無しじゃない。この際だから顔見れないくらいにぼこぼこにしてやるよ!!」



女が名無の胸ぐらを掴んだ時、後ろから声が掛かる。



跡部「お前ら何してやがんだ!!」

女1「跡部様!!」

『…。』

女3「跡部様!この女が生意気だったんで凝らしめてるんですよ。」

跡部「…。」



跡部は名無を見つめる。名無はその視線をそらす。



女2「跡部様を傷付けたんだからこれぐらいしてやらなきゃ!」

女1「そうそう。あはは」

跡部「…手を…離せ。」

女3「えっ?」

跡部「そいつから手を離せって言ってんだよ!!」

女達「!!ビクッ」



女が手を離し名無はその場にへたり込む。



跡部「いいか。こいつに金輪際近づくな!!そしてこんなバカバカしい事を2度とするんじゃねぇー。分かったな!!」

女達「…はい。」



跡部は女達の前をすり抜け名無を立たせ抱き寄せる。



女3「あの、跡部様…」

跡部「まだいたのかよ。失せろ!」

女3「はい…すみませんでした。」

跡部「大丈夫か?」

『…平気です。』



名無は跡部から離れようとするが跡部が力を入れ離さない。



『は、離して。』

跡部「何時からだ?」

『えっ…』

跡部「何時からこんな事をされてるんだ。」

『初めは無視からだったけどだんだんとエスカレートしてきて今日みたいのは初めて。』

跡部「そうか。」

『…。』

跡部「すまない。」

『なんで謝るの?』

跡部「俺がお前と婚約破棄したからだろ。」

『…。』

跡部「1つ聞きたい事がある。」

『何?』

跡部「忍足の事を好きなのか?」

『…分からない。』

跡部「じゃーなんで付き合ってるんだ。」

『…あの時、婚約解消された時は本当に付き合ってなかったの。でも、あのあと侑士が噂で付き合ってるなんて言われるのがやだって言って告白されたの。』

跡部「…!?それで付き合ったのか。」

『…うん。侑士の事は大切な友達だから傷つけたくなかった…。』

跡部「そんな理由で好きでもないのに付き合ったのか?」

『あの時は…あなたにあんな風に言われて私、ショック受けててそしたら侑士が私の事を守るって…』

跡部「…あの時、俺もショックだったんだ。」

『えっ…』

跡部「忍足とは別れろよ。」

『…。』

忍足「跡部。名無を離してくれへんか?」

『侑士!!』

跡部「なんでお前がここにいるんだよ。」

忍足「女達がでかい声で文句言ってたからな問い詰めたんや。」

跡部「忍足。こいつは俺の女だ。お前は手を引け。」

忍足「今まで放ったらかしにしてたのに他の男のものになったら惜しくなったんか?」

跡部「…くっ。放ったらかしてなんかいねぇーよ。(小声)」

『えっ…。』



跡部は悲しい顔を名無に向ける。見つめ合う2人に忍足はイライラがピークに達する。



忍足「ほんま、いい加減にしいや!」



跡部から名無を奪う。



跡部「…。」

忍足「今は俺の女や!…行くで。」

『…うん。』



2人は跡部を置いて去って行く。



忍足「叩かれたんか?」

『えっ…』

忍足「頬、赤いで。」

『あっ…うん。』

忍足「…。」

『…。』

忍足「明日デートしようか?」

『デート?』

忍足「そうや。明日は休みやし一緒にのんびりしようやないか。嫌か?」

『嫌じゃないよ。行こう。』

忍足「ほな、明日迎えに行くわ。」

『あっ…家の前はまずいかな。』

忍足「あぁ…そうか。親御さんに見られたら面倒やしな。」

『ごめん。』

忍足「ええねん。ほな、駅前まで来れるか?」

『うん、大丈夫。』

忍足「じゃーまた明日やな。」

『うん。じゃー迎えが来てるから行くね。また、明日。』
((…景吾さん。なんであんな悲しいそうな顔をするの…私の事なんてなんとも思ってなかったんじゃないの…あなたの気持ちが分からないよ。))


忍足(跡部にだけは絶対に渡さへん…。あいつをこれ以上、傷つけるような事したら許さん…。)
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