夢を追いかける君をずっと側で見ていたい…
□2 もしかして…バレた?
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ある日の休日
幸村は、図書館に来ていた。
朝から洋書や画集をぼんやりと見ていて時間は経ち。すでに昼時を過ぎていた。
幸村(あれ…もう、こんな時間か。そろそろお腹が空いて来たかな。図書館の近くにcafeがあったから行ってみよう。)
cafe
叔母「全く、あんたは不器用なんだから…。」
『ごめ〜ん。』
祖母「今日は、外やって頂戴。」
『は〜い。』
彼女は、パフェ用のバナナを切る際、自分の指を切ってしまい左手の人差しに花柄の絆創膏を貼る。
カランコロン
叔母「いらっしゃいませ。こちらの席へどうぞ。」
幸村「ありがとうございます。」
叔母「はーい。ご注文は、どうしますか?」
幸村「えっと…白身魚のムニエルとトーストのセットで紅茶はストレートでお願いします。」
叔母「はい。少々、お待ち下さい。」
注文を済ませた彼は、店内を眺めていた。
幸村(壁に景色や花の絵が飾ってあるんだ…いい雰囲気だな。ん…?あの絵…。)
客「すみませーん。」
叔母「はーい!名無!オーダー取って来るから、これ1番さんに持って行って。」
『はーい』
彼女は、叔母に頼まれた食事を取りテーブルへと運ぶ。
『!?
お、お待たせ致しました…。』
((やば!何で、ここに幸村君がいるのぉー💦))
幸村「ありがとうございます。」
彼女は、食事をテーブルに並べ伝票を置き。その場を去ろうとする。
幸村「あの…すみません。」
『はっはい!?』
幸村「あっ…えっと…ここに飾ってある絵って何処かで売ってる物なんですか?」
『えっ?あぁーここにある絵は全部、私が描いた物ですけど…。』
幸村「えっ!?君が描いたの?」
『えぇ…そうですが…何か?』
幸村「そうなんだ…。素敵な絵ですね。ニコ」
『ぁ…ありがとうございます。///』
幸村「あの…花の絵。」
『あぁーあれは昨日、出来たばかりの絵なんですよ。』
幸村「…そうなんですか。」
『では、失礼します。』
幸村(…あの花の絵。学校の屋上庭園の花だよね…。何で、あの子がうちの学校の花の絵を描けるんだ…?)
『叔母さん!1番テーブルのお客さん!私の学校の生徒だよ!もぉー対応しないからね💦』
叔母「そうなの?随分とイケメンな子がいたもんだね〜。」
『そんな事、どうでもいいよ!』
叔母「はいはい、分かったよ。」
約束をしたものの、叔母はオーダーが入り対応中。そんな時に幸村がレジに来てしまう。
幸村「お会計お願いできますか?」
『はっはい…。』
幸村「これでお願いします。」
『はい。こちらお釣りになります。』
幸村「…美味しかったです。ごちそうさまでした。また、来ます。ニコ」
『…はい。ありがとうございました。』
カランコロン
((あぁー疲れた…。でも、バレて無いみたい!良かったー!ニコ))
幸村(今の声…聞いた事があるような…。指に花柄の絆創膏してたな〜可愛い。クスクス)
次の日
先生「じゃあ、プリントを1部取ったら後ろに回して下さい。」
生徒「はーい。」
彼女は、振り向かずにプリントを後ろの席の幸村に回す。
『お願いします。』
幸村「…!!あっありがとう。」
(花柄の絆創膏…何で、名無しさんさんがしてるんだ…?昨日の店員さんと同じ柄で同じ場所に貼ってる…まさかね…。)
休み時間
幸村は、名無に話し掛けようとするが、タイミング悪く真田達がクラスに入って来る。
幸村「名無しさん…」
真田「幸村。今日の部活の事で話が…」
柳「ん?どうした、幸村。」
彼女は、手さげ袋を持って教室から出て行ってしまう。
幸村「あぁ、何でもないよ。で、用は何?」
真田「今日の部活の事で話があるんだが。」
幸村「あぁ、そうだったね。」
話が終わり二人は各教室に戻る。
予鈴が鳴り出すも幸村は席を立つ。
幸村「全く話が長いんだよ…。」
生徒1「幸村君?授業始まるよ?」
幸村「あぁ、ちょっとサボり。」
生徒2「あの、幸村君までサボるなんて…先生が嘆きそう。」
生徒1「だね…。」
幸村(名無しさんさんって何時も何処でサボってるんだ…?)
「花の絵。…屋上庭園かな。」
幸村は屋上に向かい、屋上のドアに手を掛けた時、話し声が聞こえて来る。
仁王「この前、描いてた奴は終わったんか?」
『うん!バイト先に飾ったよ。』
仁王「完成したら見せるって約束してたのになぁ…」
『あっ…ごめん。忘れてた。』
彼女は、顔の前で手を合わせ片目を瞑り仁王を見る。
仁王「…。可愛いから許しすぜよ///」
『あの絵ね。昨日、お客さんに素敵だねって誉められたんだよ!』
仁王「ほーう。その客も、なかなか見る目があるなり。」
幸村(バイトってやっぱり…昨日の客…俺の事かな?)
仁王「今度は、何を描くんだ?」
『悩み中』
仁王「俺が、モデルになってもいいぜよ。ニコ」
『う〜ん。それは、いいかな。』
仁王「釣れないのぅ…。もう、いいぜよ。俺は、寝る。」
『ふふっ、不貞腐れないで。』
仁王「なら、たまには、おまんも寝んしゃい。」
仁王は、名無の横に座り彼女の頭を無理やり自分の膝の上に乗せる。
『ちょっと!止めてよ〜恥ずかしい!』
仁王「暴れなさんな。誰も見てないぜよ。」
『そうだけどさぁ…。』
仁王「どうせ、今日も朝まで勉強してあまり寝てないんだろ?」
『うん。学校の勉強は、直ぐに終わったんだけど…。フランス語の勉強してたら遅くなっちゃって…でも、朝方には寝たよ。』
仁王「嘘じゃな。今、寝ておけ。」
『もう、強引だな…でも、ありがとう。ニコ』
彼女は、そのまま仁王の膝枕で寝てしまう。
幸村(バイトにフランス語…朝まで勉強…?何で、そんな苦労をしてるんだ…?)
放課後
彼女は、テニスコートの前を通って正門に向かっていると彼女の存在に気づいた仁王が話しに来ていた。
仁王「名無!今日もバイトか?」
『うん。』
仁王「はぁ💨おまんの体が心配ぜよ。」
仁王は、彼女の頭に手を乗せ髪をくしゃくしゃにして撫でる。
『ちょっ!止めてよ!前髪ぐしゃぐしゃになる。』
仁王「誰も見とらん。」
『全く、もう。じゃーね!』
仁王「おぅ!また、明日な。」
二人の行動をテニス部員達が見ていた。
真田「最近、仁王はあの女子と良く一緒にいるようだな。」
幸村「そうだね…。」
(一瞬、目の辺りが見えた気がするけど…昨日の店員に似てるような…。)
仁王「なんじゃ。みんなして俺を見て。」
真田「仁王。あの女子と最近、良く一緒にいるようだが付き合っているのか?」
仁王「はぁ💨真田もか…。好きに考えていいぜよ。」
真田「何だ、その態度は…たるんどる!」
幸村「さぁーみんな、そろそろ始めるよ。」
(部活帰りにあのcafeに寄って行って見よう。)
cafe
カランコロン
叔母「いらっしゃいませ。あら、昨日のイケメン君じゃない。また、来てくれたの?」
幸村「はい。ここの紅茶が、とても美味しかったので。ニコ」
叔母「まぁ!笑顔が素敵ねー。」
幸村「ありがとうございます。昨日の席に座っても良いですか?」
叔母「あら。あそこでいいの?お好きな所にどうぞ。ニコ」
お店の中は夕方な為、幸村以外の客はいなかった。
叔母「何にします?」
幸「紅茶をお願いできますか?」
叔母「はい、承りました。ストレートだね、待っててね。」
幸村(…今日は、いないのかな?)
叔母「名無。あんたが入れた紅茶が美味しいって言ってくれたお客さんが、また来てくれたよ。クスクス」
『えっ!?本当!嬉しいなぁ〜。ニコ」
叔母「それで、紅茶のオーダー入ったから持って行って、お礼してきな。」
『うん!』
彼女は、ウキウキしながら紅茶を持って持って行く。
((えっ…また、幸村くん。叔母さんめぇ〜バレたくないのに…はっ!もしかして、私だってバレてる?))