大切な君達…大事な主へ…

□17 狐に化かされる。
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近侍部屋


主は、まだ…子供の姿のままであった…


『いや〜今日も、朝から夕方まで沢山遊んだな〜!』

小狐丸「それは、ようございましたね。短刀達も、ぬしさまと遊べて、とても喜んでいる事でしょう。」

『だと、良いけどね。あぁ〜ずっと子供の体でも良いなぁ〜。』

小狐丸「おや?これまた、何故です?」

『だってさぁ〜朝起きた時に腰痛くないんだよ!』

小狐丸「…。」

『しかも、駆けっこしたって体が疲れない!』

小狐丸「……。」

『若いって良いよね〜。』

三日月「主は、いつから俺みたいな事を言うようになったのだ?」

『あっ!ちび三日月だぁ!!』



近侍部屋に現れた三日月短刀バージョンに主は、抱きつく。



『可愛い…。』

小狐丸「ぬしさま…。」

三日月「主よ。小狐が、悲しんでおるぞ。俺は、嬉しいがスキンシップが過ぎるのでは無いか?抱擁は、二人きりの時にしようでは無いか。」

『ん?小狐丸どうしたの?』

小狐丸「いえ…何でもありません。コホン。三日月殿どうしたのですか?ここちらに、お越しになるとは珍しいですね。」

三日月「なに、主が仕事をしているのではないかと思い茶を持って来たまでの事だ。」

『そうなんだ、ありがとう!』

小狐丸「…ぬしさまは、童の姿がお好きなのですか?」

『えっ?何で?』

小狐丸「ぬしさまが、お望みであれば…この小狐、薬など無くとも童の姿になれますぞ。」

『そうなの?見てみたい!』



小狐丸は目を瞑る。



小狐丸「はい。………はぁ!!」



小狐丸の回りから煙が立ち上がり小狐丸の姿を隠してしまう。
煙がなくなり小狐丸の姿がはっきりと見えるようになるとそこには、小狐丸短刀バージョンが正座をしていた。



『いやだ…可愛い!!』

小狐丸「お気に召して頂けましたかな?」



小狐丸は、小首を傾け主に訪ねる。



『可愛すぎる〜💓』



主は、小狐丸を抱き締める。
小狐丸は、三日月に妖しく笑いかける。



小狐丸「ふん。ニヤリ」

三日月「…化けおったか。」

小狐丸「くっくっく。狐ゆえですよ。」

『なる程ね!狐は、人を化かすって言うもんね。』

小狐丸「ぬしさまが、お望みなら毎日この姿で挨拶に参りますよ。」

『えっ…マジで!』

三日月「それはダメだ。」

『えぇ〜なんで!?』

三日月「姿が小さ過ぎて本体を持てぬからだ。」

『あぁ…なる程ね。じゃあ、今だけ堪能しとく。』

小狐丸「チッ…余計な事を…(小声)」

三日月「はっはっはっ。よきかな、よきかな。主よ、先程言っていたが朝起きると体が痛いのか?」

『えっ?あぁ〜私だって良い年ですよ。20代後半…体にガタがきますよ。』

小狐丸「ぬしさま…年寄りみたいな事を言わないで下さい。」

三日月「はっはっはっ。ジジイと同じだな。まぁー俺は、腰の方は丈夫だかな。」

小狐丸「何を自慢しているのですか…。」

『あぁ〜喉乾いた。お茶飲もう。』

三日月「…。」

小狐丸「ぬしさまは、自由な方ですからね。聞いていなかったみたいですよ。クスクス」

三日月「そうか…ならは、体で教えてやろう。」

小狐丸「お止めください!三日月殿!!ぬしさまを汚す気ですか?」

三日月「汚す?俺色に染めるだけだが?」

『2人共なにを騒いでるの?こっちに来て一緒にお茶飲もうよ。ニコ』

小狐丸「ぬしさま…」

三日月「はぁ💨どうも主と居ると調子が狂うな…。はっはっはっ」

小狐丸「そう言う、お方なのですよ。ニコ」

三日月「そうだな…では、茶を頂くか。」



3人でお茶を飲んでいると主が急に何かに気がつく。



『あっ!今、何時?』

小狐丸「酉の刻になりますが…」

『酉…だから夜の7時!!ヤバイ💦粟田口の短刀ちゃん達と一緒にお風呂に入る約束してたんだった!私、着替えを取りに部屋に帰るね!』

三日月「ちょっと待て…主。」

『へっ?』

小狐丸「今…なんと…申されましたか?」

『えっ?だから短刀達とお風呂に…』

小狐丸「ぬしさま!いい加減になさいませ💢」

『ひぃ!!』

三日月「うむ、小狐が怒るのも当然だな。」

小狐丸「あなた様は、女人なのですよ!!今は、子供のお姿でも女性には変わりありません!お忘れですか!?」

『あぅ…だって薬研が、小さいんだから男と変わらないから平気だろって…』

小狐丸「あのモノの差し金ですか…💢」

『みんなとお風呂で遊ぼうねって約束しちゃったし…』

小狐丸「駄目です!ぬしさまは、今までと変わらずお一人で、お入り下さい。良いですね!」

『はい…ごめんなさい。』

小狐丸「短刀達には、私と三日月殿で話を着けて来ます。三日月殿、行きますよ。」

三日月「あい、分かった。ではな、主。」

『はい…。』



((いつも優しい小狐丸が、物凄く怒ってた…顔も怖かったな…。しかも、いつの間にか体も元に戻ってたし…。あまり怒らせないようにしなきゃ…。))



この後、小狐丸と三日月は風呂場に行き短刀達に主が、来ない事を説明し薬研に対しては、一期も参戦して3人でお説教をした。
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